レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「ストリート・オブ・ファイアー」今宵ノワール風ロックミュージック映画を(ロックンロールの寓話)・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ストリート・オブ・ファイアー」(1984)です。

 

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あの「ザ・ドライバー(1978)」「ロング・ライダーズ(1980)」「48時間(1982)」で注目を浴びたウォルター・ヒル監督作品です。が、この作品少し前述の作品と違います。MTV風ロックミュージック映画なのです。音楽はあのライ・クーダーです。

 

ダイアン・レインが歌うナンバー「ノーフェア・ファスト」「今夜は青春」がとても素晴らしく、まあ誰もが聞いたことがあると思いますが。男臭いアクション映画を得意とするウォルター・ヒル監督にこんな芸当が出来るとは思いませんでした。

 

 

映画は、リッチモンドで凱旋コンサートをしていたロック歌手エレン・エイム(ダイアン・レイン)がギャング団ボンバーズのレイヴァン(ウィリアム・デフォー)に拉致される。

元カレのコーディ(マイケル・パレ: スリーピングアイのロバート・ミッチャムの雰囲気を出している)とマッコィ(エイミー・マディガン)と呼ばれる兵隊くずれで彼女を助け出すお話でなんということはありません。

 

でも、各場面場面をワイプでテンポ良く繋いで、ミュージックシーンを挟み、ヒル監督の得意のアクションで小刻み良くというか、小股が切れ上がった映画に仕上がっています。

 

特に、コーディとレイヴァンの大型ハンマーを使った死闘シーンは、音響効果も良く中々の迫力、嬉しくなります。

 

そして、美しいエイムとの別れ。真紅のマーキュリーコンバーティブルを運転するマッコィに拾われ、アメ車独特OHVの響きと共にリッチモンドに別れを告げる。ホント、OHVの響きはアメリカンノワールの味わいですね。

 

ブログ作成にDVD版を鑑賞しています。     八点鍾

 

追記 当時、このタイプの映画が沢山出て来るものと思いましたが、ほとんど出てこなくて、が暫くするとTVシリーズ「マイアミ・バイス」が上手く利用していて、さすがマン監督だなと思いましたが。

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「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」エニグマを扱った映画は色々ありますが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」(2014)です。

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IMDb

エニグマとはドイツ軍が使用していた暗号機で、よくスパイ活劇のネタとして使われます。よくあるのがその暗号機を盗み出すというストーリーで、例えば「U-571(2000)」は、その代表的な作品だと思います。もう一つは、エニグマ暗号を解読に挑戦するストーリーで「エニグマ(2001)」がありますが、この「イミテー・・」が代表的な作品になるものと思います。

 

最近、第二次大戦の秘密事項が少しずつ開示されているので、エニグマ暗号解読全貌が判るようになりました。そういう意味でこの作品は、画期的な作品だと思います。但し、全貌が明らかになっている訳ではないので今後新たな事実が出て来るものと思います。

 

映画は、1951年の英国、アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)宅に強盗が入ったところから始まります。ノック刑事がチューリングの捜査にあたるが何かおかしいので彼を調べ始めます。

 

話は1939年に遡り、チューリングがドイツ軍が使用しているエニグマ暗号解読の為、ブレッチリー・パークに勤務し始めます。彼は、すこぶる冴えた男だが協調性は全くと言って良い程なく、暗号解読の為どんなことでも、例えば予算獲得の為、チャーチルに手紙を書き予算を得たり、彼が無能と判断すれば、先輩でさえも追い出したりします。

そして、後任として新たに自分で有能な人材を選んで、チームに入れます。女性数学者ジョーン(キーラ・ナイトリー)は、彼の目に適った人材でした。

 

仕事も自分の思うように暗号解読装置"クリストファー"の製作に没頭します。とことん尖がった男なのです。"クリストファー"は完成したが、成果が出ないと叱責されて、悶々とするチューリング達だが、ある時、女子暗号課員が暗号には常套句が付加されているという。それの常套句がエニグマ暗号解読のキーだということが判ったので、エニグマ暗号は"クリストファー"を使用し、解読に成功する。

 

この映画が面白いのはここからで、英国が暗号解読でドイツの出方を察知し、対策をし始めたら、ドイツ軍が暗号を変更してしまう。だから、統計的にある時は対策し、別の時何もしなくて、解読されないような出来事を作りドイツに提供しようとチューリングとMI6のミンギス(マーク・ストロング)は話を合わせるのだった。おまけにこのチームの中には、ソ連コミンテルのスパイがいるのだが、ミンギスたちはリークされた情報をすり替えて、ソ連にも嘘の情報を流すのだった・・・

 

そう、下手な真実より巧みな嘘の世界です。英国人って凄い。この辺り、もう日本人はついて行けないです。ホント、物凄い人達です。彼らに比すれば、愚直な日本人なんか幼稚園みたいなものかな。この腹黒さがないと覇権国にはなれないのでしょう。

 

監督は、ノルウェー出身のモルテン・ティルドム(「ヘッドハンター」)。どちらかと言えば脚本ありきの作品ですが、混み入った話を丁寧に解り易く説明していますが、こう言うお話に興味がないと面白くないかと思います。

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。     八点鍾

 

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「コーマ」マイケル・クライトン監督作品 ヒチコックタッチが冴えるサスペンススリラー・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「コーマ」(1978)です。

 

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米国の大病院を舞台にしたサスペンススリラーです。病院を舞台にした作品は色々あります。日本では「白い巨塔(1966)」「チーム・バチスタの栄光(2008)」等、アーサー・ヒーラー監督「ホスピタル(1971)」という作品もありました。

 

でも、この作品は少し毛色が違ってあのマイケル・クライトン(「ジェラシック・パーク」)が眼科医で作家のロビン・クックの同名の小説を映画化したものです。クライトン自身も医師なので、病院内、手術、医療従事者辺りの描写がリアルで生き生きしています。

 

映画は、米国ボストン記念病院に勤務している研修医スーザン(ジュヌヴィエーブ・ビュジョルド)はとても優秀で回診時、病状経過を正確に報告して、主任研修医になれる実力があるのだが、女性だから同僚で恋人マーク(マイケル・ダグラス)の後塵を拝している。

ある時、彼女の友人が妊娠初期の掻爬手術で、麻酔から覚醒せずに脳死、植物人間になる。一般に十万人に一人の割合で発生し、調べると昨年この病院で十件ほど発生している。ここは大病院だから起こるのは仕方がないが、多いのは気になる。おまけに組織適合試験を行っているのも気になる。

 

病理部の医師たちに聞きまくると、一酸化炭素を利用するとうまく脳死を起こすことが出来ると。調べていくとすべて第八手術室で発生しており、その後脳死患者はジェファーソン研究所に送られている。

 

マークとヴァカンスからの帰りにジェファーソン研究所を訪れるが、予約がないので断られる。病院に戻ると保守課の男から離したいことがあるので夜訪ねて欲しいと言われる。そこを訪ねると男が配電盤で感電死し、近くに見られないガスボンベが設置されて、第八手術室まで配管されている。

が、何者かがスーザンを追って来る気配が・・・

 

 丁度、この頃から女性が主人公として活躍する映画が増えてきました。あの「エイリアン」のシガニー・ウィバーのように。

「戦争は終わった(1966)」「1000日のアン(1969)」で有名になったジュヌヴィエーブ・ビュジョルドは知的な顔立ちで、且つ一度決めたらやり抜くという性格をとても上手く体現しています。この役にぴったりだと思います。

 

加えて、クライトン監督のヒチコックタッチが冴えに冴えまくります。後半、深夜の病院に何者かに追われる死体安置所のシーン、不気味なジェファーソン研究所の侵入、脱出シーン、最後の黒幕ジョージが判明するところ、パンティストッキングの使い方等なかなかの腕前を見せてくれます。

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。         八点鍾

 

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「ベンハー」1億ドル掛けた大作、ラストを除いてそんなに悪いとは思いませんが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ベンハー」(2016)です。

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この作品は、1959年に公開されたあの大作「ベン・ハー」(ウィリアム・ワイラー監督)のリブート作品です。残念なことに、日本では公開されずにビデオスルーされています。ベトナムでは公開されましたが。

 

映画は、全体にワイラー版とほぼ同じです。ワイラー版では、ピラト総督の一行に瓦が落ちて、それが不幸の始まりになるのですが、今回はもっと大胆にゼロテ党員によるピラト総督暗殺未遂に巻き込まれ、ベン・ハー(ジャック・ヒューストン)は奴隷となりガレー船の漕ぎ手に、家族はレプラとなり人里離れたところで生活することに。

ギリシャ海軍とローマ海軍のイオニア海での海戦で、ベン・ハーは生還し、族長イルデリム(モーガン・フリーマン)拾われ、家族の復讐の為、戦車競走に出場し、宿敵メッサラ(トビー・ケベル)と対決する・・・

 

今回、BD版で再見しましたが、甘すぎるラストを除いてそんなに悪い映画ではないと改めて確信しました。監督は「ウォンティド」で有名なティムール・ベクマンベトフ。

この作品の美点は、ワイラー版より宗教色が薄められていること、全体にテンポが速い(約二時間強の作品であること)、ガレー船漕ぎ手の視線から見たイオニア海戦が大変良く出来ていることだと思います。

 

但し、前述したようにラストが甘すぎると思いますし、アンドラ・デイの主題歌「The Only Way Out」が映画そのものの価値を上げることに貢献していない様に思います。もう少し重厚な演奏の方がよりマッチすると思いますが。

 

同様のリブート作品は「エクソダス:神と王」、私は未見ですが「ノア 約束の舟」があり、確かにワイラー版は重厚な大作ですが、三時間を超える上映時間は鑑賞するには大変だと思います。

そう考えると、あのアクション監督ヤキマ・カヌットの素晴しい戦車競走シーンとほぼ同等位の迫力を持つ戦車競走シーン(ラフプレー一杯ですが)を含むこの作品のリブートは成功しているのかなと思います。

 

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。      八点鍾

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「うず潮」J・P・ラプノー監督長編第三作ラブロマンスコメディですが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「うず潮」(1975)です。

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IMDb

日本ではあまり評価されていないラプノー監督ですが、調べてみると寡作の監督より脚本家で活躍しているのですね。不勉強でした。「城の生活(1966)」「コニャックの男(1971)」そして本作、「シラノ・ド・ベルジュラック(1990)」このブログで紹介した「プロヴァンスの恋(1995)」「ボン・ヴォヤージュ(2003)」があります。

「城の・・」「コニャック・・」は未見ですが、他は何れも良く出来ています。但し、題材の選び方、演出スタイル等が日本人には理解しにくい処があるのかもしれません。

 

映画は、P・ボクノダヴィッチ「おかしなおかしな大追跡(1972)」フランソワ・トリフォー「私のように美しい娘(1972)」のように一人の可愛い悪女 ?に振り回される主人公マルタンのお話。

 

ベネズエラ、カルカス。ネリー(カトリーヌ・ドヌーヴ)は、大金持ちの御曹司と結婚予定だが、やはり気に入らなくて(いびきが大きいのかな?)、逃亡することに。途中、以前働いていたナイトクラブで未配給料の代わりにロートレックの絵を拝借。

 

ホテルに逃げ込むが御曹司が追いかけて来て、隣に泊まっているマルタン(イヴ・モンタン)の部屋のベランダから彼女に部屋に侵入する。御曹司を何とかかわして、翌朝、空港へマルタンはネリーを送り届ける。

 

マルタンは調香師、カルカス沖の小さな無人島で一人淡々と生活している。この辺りのシーンが良い。白い浜辺、薄緑色の海、自給自足で、香水用花を育て・・・

でも、現在なら気象衛星から気象情報を貰うツールが必要だよね・・・

 

そんな極楽の様な生活を送っているマルタンの下にネリーが来るのだった。正確には来ていたのだった。

ウーン、一番美しい頃のドヌーヴ嬢、男なら彼女に逆らうことは出来ません。

アナタ、逆らえます ? 私なら、女王様何なりとお言いつけ下さいと頭を垂れますが・・・(男なんてこんなものです)

 

逆らおうものなら、すべての生活を壊してしまう。船を壊し、彼の生活、ポロいけど立派な屋敷も炎上させられ、すべてパアー。おまけに契約不履行で刑務所に入り・・・

そう、彼女は野蛮人・・・

という意味で、大変面白いコメディになっています。ホンが良くうまく纏めています。ドヌーヴとモンタン、とてもとてもよろしいと思います。

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。もし、BD版が手に入るのであれば、BD版を購入された方が良いと思います。無人島の美しい風景が更に映えるものと思います。

                               八点鍾

 

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「天使の涙」POPでハチャメチャなユニークな映画、カーウァイ監督のこの世界観好きです・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「天使の涙」(1995)です。

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映画は、殺し屋、そのエージェント、安宿管理人、その息子モウ(金城 武)、金髪女(カレン・モク)、失恋娘6名が複雑に絡み合い、物語が進みます。

 

エージェントは、殺し屋の為に部屋、下調べを行い、速やかに標的をあの世に送る。エージェントは安宿に泊まっており、そこに管理人と住んでいるモウは、悪くなったパイ缶を食べて声を出せない。自閉症で、夜閉店した商店を無断で開けて商売をする変な男、金髪女は深夜殺し屋と出会い、街でエージェントとすれ違い、殺し屋との関係に気付く。

 

殺し屋は、足を洗い店を持とうとして、日本人店長斎藤から色々アドバイスを貰うが、最後の仕事で命を落とすのだった。モウは、管理人の父を失くして、又深夜の仕事に戻る。ある時、食堂でヤクザに襲われボコボコに、そこにいた失恋女に家に送ってくれと頼まれ・・・

 

以前、このブログでも紹介した「マイ・ブルーベリ・ナイツ」のウォン・カーウァイ監督作品です。彼の作品の中でも軽いタッチのラブロマンスの作品ですが、主人公が複数いて、何れも個性豊かで、その人生模様が明るく交差する面白い映画です。

 

主人公の一人は、二丁のベレッタ92Fを愛用する殺し屋で、迫力ある殺しのシーンはあのペキンパーというか、ジョン・ウーを彷彿させます。撮影監督クリストファー・ドイルの個性的な絵作りも決まっています。香港って素晴らしい処なんだ。ああ、こんな世界で生活してみたい・・・

齊秦『思慕的人』も涙が出て来るぐらいバッチリ決まっています。

 

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。      八点鍾

 

追記  最後は、ディビッド・フィンチャー監督最新作「マンク破戒僧」の予告編です。市民ケーンの制作秘話のようです。

 

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「バニラ・スカイ」夢の中、150年後のラブロマンス、 第二の人生とは・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「バニラ・スカイ」(2001)です。

 

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この作品は、スペインのアレハンドロ・アメナバル監督「オープン・ユア・アイズ」をハリウッドでリブートした作品です。私は「オープン・・」は未見ですが、他に「アザーズ」「アレクサンドリア」「リグレッション」のような作品があります。感じ映画の作りがクロウ監督より重いように思います。

 

青春物を得意とするキャメロン・クロウ監督(「ザ・エージェント」「エリザベスタウン」)のこの作品は、良く纏まってとてもいい作品だと思います。

 

映画は、殺人容疑でデビッド(トム・クルーズ)は、精神医マッケイブ(カート・ラッセル)の尋問を受けている。デビッドは出版会の王様と呼ばれているが、恋人ジュリー(キャメロン・ディアス)の嫉妬による交通事故で、顔に大きな傷を負う。傷によってもう一人の恋人ソフィア(ペネロペ・クルス)との関係もギクシャクし始める。

時々、彼の視野に謎の男が現れる時もある。幻覚に襲われて、ジュリーに暴行、ソフィアを絞め殺す夢を見るが、幻覚か事実か分からなくなり、やがて、謎の男が自己紹介をすることで、事実が判明する・・・

 

特にこの作品の面白さは、キャメロン・クロウ監督が書いた脚本だと思います。色々な引き出しがあってそれがうまく機能していることだと思います。ポール・マッカートニーの「バニラ・スカイ」、フェラーリGTO、母から相続した印象派モネの絵画「アルジャントイュのセーヌ川」の空、物凄く凝った編集、断片的にインサートされる映画「突然炎の如く」「アラバマ物語」「007/ドクター・ノー」、部屋に飾られた映画ポスター「突然炎の如く」「勝手にしやがれ」、ラブロマンスでもあり、ホラー映画の様な味わいもあるし、SF映画の様でもある。

 

それらが上手く纏まっているのです。だから、結構面白く鑑賞しました。少し味わいが違いますが、少し前本ブログで紹介した「トランス」とか「未来惑星ザルドス」の様に編集に凝った作品ってかなり惹かれます。

 

バニラスカイの空の下、デビッドはある選択を迫られることになる・・・

このシーン、何やら切なくてとても好いシーンです。

 

クルーズは、途中からかなり凝ったメイクで登場します。アカデミー男優賞でも狙おうとしたのでしょうか ? ビックリします。

1999年の「マグノリア」でアカデミー助演男優賞ノミネートされていましたが、マイケル・ケイン(「サイダーハウス・ルール」)が受賞した時、彼は、スピーチでクルーズに向かって、出演料が下がるから受賞しない方がいいよ、なんて言っていましたが。

 

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。       八点鍾

追記 今回鑑賞してティルダ・スウィントンが出演しているとは。ジェシカ・チャスティンともに好きな女優さんです。007新作も来年になり、今年は寂しい年になりそうです。最近、チャスティンの新作予告を見つけましたので貼り付けます。

楽しんでください。

 

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