レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「サイレント・ランニング」あのSFXの雄ダグラス・トランブルが監督したSF映画ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「サイレント・ランニング」(1972)です。

 

未来の地球、植物を標本温室ドームに格納し大型貨物宇宙船に3基ずつ搭載して土星軌道にて航行させていた。3隻の宇宙船の内の1隻「ヴァリー・フォージ」号の植物学者フリーマン(ブルース・ダーン)は他の仲間と違い、植物に対する扱いは違い熱意を込めて励んでいた。そんな中、地球から届いた指令は温室ドームを爆破して、地球に帰還せよという指令だった。フリーマンは即座にある行動に出た…

あのSFXのパイオニア、ダグラス・トランブルが監督したSF映画です。日本では当初公開されず、ビデオ発売後1986年に劇場公開された作品です。

彼が監督した作品は、この作品とこのブログでも紹介した「ブレインストーム」だけで、結論から言えば私は「ブレインストーム」の方が好きです。この作品は、ホンが中途半端でいま一つ説得力がなく、SFXはまずまずなのですが映画にのれないことだと思います、残念ですが。

例えば、ほぼ同時期にグラフィックデザイナーのソール・パスが監督した映画「フェイズⅣ」の方がホンが良く出来ている分だけ優れていると思います。

そういう意味で、もう少しホンが良ければもっと優れた作品になっていたと思います。

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。           八点鐘

www.youtube.com

www.youtube.com

 



wedplain15.hatenablog.com

 

wedplain15.hatenablog.com

        ダグラス・トランブルSFX担当作品

 

wedplain15.hatenablog.com

 

wedplain15.hatenablog.com

 

 

「殺意の香り」ロバート・ベントン監督のヒッチスタイルサスペンス、主演はメリル・ストリープ…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「殺意の香り」(1982)です。

NY、マンハッタンでジョージ・バイナムと言う男が殺された。警察は彼が精神科に通っていた聞き、精神分析医サム・ライス(ロイ・シャイダー)を訪れ、彼に診療について色々と聞き捜査を始める。そんな中、バイナムの助手をしていたブルック(メリル・ストリープ)と言う女性がライスの診療所を訪れるのだった…

「クレイマー、クレイマー」で有名なロバート・ベントン監督のレアなサスペンススリラーです。ご覧になった方は少ないのではと思います。

映画が始まり約20分程は、ライス医師がバイナムの医療記録を記憶を辿りながら調査するシーンで、ここが若干冗長気味です。でも、その後の展開はブルックが務めている美術オークション会社に移り、ここからがヒチコックスタイルのサスペンスたっぷりの展開になります。いや、サスペンス好きな方は楽しめると思います。うーん、美しいです。

メリル・ストリープと言えば、どちらかと言えば芸術映画、重い作品が多いのですが、この映画は純粋なサスペンスで、又彼女自身も若い時の映画なのでその美しさに驚くことでしょう。ベントン監督は、あのデ・パルマ監督の様なハッタリスタイルではなく、純粋なサスペンスタッチで巧みにこしらえています。

ラスト、ロングアイランドのブルックの実家でのサスペンス、ここが結構怖いのですが、この手の映画が好きな方は、最後の最後まで楽しめると思います。私もその一人ですが。

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。            八点鐘

 

追記 ライスの母役で、ジェシカ・タンディがチラリと登場します。

 

www.youtube.com

www.youtube.com

「アナザー」セバスチャン・ジャプリゾ原作のサスペンススリラーですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「アナザー」(2015)です。

パリの広告代理店に勤務するダニー(フレイヤー・メイヴァー)は、カラヴァイユ社長に頼まれて社長宅で急ぎのタイプをすることになる。その仕事が終わり、社長夫婦を空港へ送り、ダニーは社長の車フォード・サンダーバードを借りて海を見る為に南へ向かった。が、ガソリンスタンドに立ち寄った時ブレーキランプを直した車だと言われ、何が何だか分からなく始末、更にトイレでは謎の男に暴行を受けるが、彼女は南に向かうのだった…

有名な作家セバスチャン・ジャプリゾの「新車の中の女」を映画化した作品で、ほとんぅはサマンサ・エッガー主演「殺意の週末」を鑑賞したかったのですが、手に入らず、同じ原作を映像化したこの作品「アナザー」を鑑賞しました。評判の悪い作品だったので若干心配しましたが、私個人の評価は巷で言われる程悪くはないと思います。

監督は新人ジョアン・スワール、手堅く纏めています。キャスティングも悪くなく、例えば、社長の車としてシトロエンSMを登場させる等、凝った処もあり知っている人は嬉しくなります。ただ、前半が少し冗長気味で、後半の種明しをもう少し丁寧に行って貰うともっと良くなったと思いますが。

こんな感じの映画です。貴方が熱心なジャプリゾのファンであれば、不完全なところがあっても十分納得されて楽しむことが出来ると思います。残念ですが、あの「雨の訪問者」「さらば友よ」の完成度に達してはいません。

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。           八点鐘

 

追記 いつかの日か「殺意の週末」、「シンデレラの罠」、「七人目に賭ける男」が手に入ったらまたアップします。

 

 

www.youtube.com


wedplain15.hatenablog.com

 

wedplain15.hatenablog.com

 

wedplain15.hatenablog.com

 

wedplain15.hatenablog.com

 

wedplain15.hatenablog.com

 

「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」コメディではなく、ウイングナッツ(飛行機馬鹿)映画で売って欲しかった…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」(2024)です。

1960年代、ソ連による世界初の有人宇宙飛行で先を越された米国は、アポロ計画を立案し友人初の有人初月面着陸を目指した。が、1967年アポロ1号で訓練中火災事故が起き、宇宙飛行士3名を亡くしてしまう。そんな時NASAの公共イメージの刷新を図る為、凄腕マーケティング、広報の専門家ケリー(スカーレット・ヨハンソン)が雇われたのだが…

もっと弾けたコメディ映画だと思っていましたが、意外に真面目に作られた映画です。ホンが結構良く書き込まれていて、当時NASAが抱えていた問題点が良く理解できますし、凄腕ケリーの存在感がなかなかで、そういう意味でとても面白い、良く出来たコメディ映画になっています。

だから映画の宣伝で使われているあの都市伝説「偽の月面着陸」がもっと前面に押し出した作品かなと思っていたら、意外にそこは薄味でちょっと拍子抜けで、個人的にはあの「カプリコン1」の様な映画をずっと考えていました。このスタイルであれば、あの航空宇宙映画「ライト・スタッフ」の続編の様な感じでウイングナッツ映画として宣伝した方が良かったのではと感じ入った次第です。

おまけに映画中盤には、あのP-51Dムスタングの夜間飛行も登場するので、私は驚きました。あの航空映画「トップガン マーベリック」にもP-51Dが登場します。映画ファンの方であれば、1957年ダクラス・サーク監督「大空の凱歌」に登場するロック・ハドソンが操縦する航空機です。

ほら、滑走路の近くにいるカメラを抱えたお兄さん達がいるでしょう。あの人たちをターゲットに宣伝すれば、もっと観客が増えたのではと思います。鑑賞当日、水曜日朝1回目で私を入れて観客は20名ぐらい、映画の出来から見れば、可哀想な感じです。

やり手の広報女史ケリーを演じたスカーレット・ヨハンソンはなかなかキュートで、対する現場責任者コール・ディビィスを演じたチャニング・テイタムとのやり取りは中々興味深し面白い。2018年に公開されたディミアン・チャゼル監督の静かな映画「ファーストマン」と対をなす作品になっています。

私は、この映画「フライ・ミー…」の方が楽しめるのではと思います。   八点鐘

 

 

www.flymetothemoon.jp

追記 映画に登場するオメガ スビートマスター日本でも販売されていました。当時30万ぐらいしたのかな。とても高額でした。

 

P-51D ムスタング トップガン マーベリックより





www.youtube.com  大空の凱歌 予告編

www.youtube.com


www.youtube.com

www.youtube.com

 

 

wedplain15.hatenablog.com

 

wedplain15.hatenablog.com

 

wedplain15.hatenablog.com

 

wedplain15.hatenablog.com

 

「アビス」B級SFのような味付けで結構楽しめるジェームズ・キャメロン監督SF海洋サスペンス大作…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「アビス」(1989)です。

1994年、カリブ海ケイマン海溝で米海軍原潜「モンタナ」が遭難した。政府は近くで移動式海底石油プラットフォーム「ディープコア」に救助協力を要請する。ディープコアの責任者バド(エド・ハリス)の下にSEAL部隊コフィ大尉が部下と共にやって来る。遭難したモンタナ号の調査を始めると、何やら未知の生命体が現れ、コフィ大尉達SEAL部隊は上層部と連絡を取り、モンタナ号から核弾頭を一基回収し、生命体に対する武器として備え始めるのだった。そんな時、洋上ではハリケーンが訪れ、ディープコアと海上支援船とのケーブルを切り離すことが出来ず、ケーブルクレーンが破損、壊れたクレーンがディープコアに向かって落ちていくのだった…

暑い暑い猛暑日なので、海洋映画が見てみたいと思いこの作品を取れ上げました。「アビス」です。勿論完全版です。ジェームズ・キャメロンらしいB級SFをビックバジェットで取り上げたSF海洋サスペンス作品です。その昔、劇場で見た時より楽しめました。

ディープコアを巡る海洋サスペンスにすれば、この作品もっと志の高い映画になったと思いますが、そこはキャメロン監督、そんな映画すれば金にならないと思い、NTI(非地球型知性体)なる物が登場し、B級アクション、サスペンスの連打となります。

まあ、これが良いのですね。楽しいです。俳優さん達も楽しそうに演じて、後半の見せ場、バドが核弾頭の時限装置を解除する為に液体呼吸装置を備えた潜水服で約6000メートルの深海迄潜水するシーンが迫力たっぷりで、素晴らしいですね。うーん、美しいです。

映画は見世物だと、キャメロン監督は割り切っているのでしょう。下手に深刻ぶって重い映画を作るなんて、馬鹿な事さ。明るく楽しい映画を作り続けることが僕の仕事だよとスクリーンから語りかけているようで、そのスタンスは二重丸ですね。

このブログ作成にDVD完全版を鑑賞しています。             八点鐘

 


www.youtube.com

www.youtube.com

 

wedplain15.hatenablog.com

 

wedplain15.hatenablog.com

 

wedplain15.hatenablog.com

 







 

「不夜城」新宿歌舞伎町を舞台にしたチャイニーズマフィア味のノワールスリラー…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「不夜城」(1998)です。

   

劉(金城武)は、新宿歌舞伎町中国人裏社会で故買商という感じで色々な事をやって生活していた。そんな時、昔の仲間富春が名古屋から戻って来るという噂を聞く。歌舞伎町を仕切る親分、元成貴の部下を殺して名古屋に逃亡した男が、何故歌舞伎町に戻って来るのか色々考えを巡らせている時、夏美(山本未來)という女から連絡が入る。女が言うには買って欲しいものがあると…

作家馳星周「不夜城」を映画化した作品で、一番の特徴は歌舞伎町のリアルなセットだと思います。主演の二人金城武、山本未來もなかなか良くていいのですが、特に込み入ったストーリーと中国人の名前が頭に入らないので、物語が中盤になってようやく理解できることが欠点らしい欠点でしょうか。まあ、この小説を読んでいる観客は問題ないと思いますが。

それを除けば、全体に良く出来たハードボイルドタッチのノワールスリラーだと思います。どちらかと言えば、ダシール・ハメット味でしょうか。

後半は、裏切り又裏切りのガンアクションのつるべ撃ちで、なかなか見せてくれます。退屈させません。若干、ご都合主義の様な感じもしますが、ホロリとさせてくれる処もあります。中国残留孤児出身が多い新宿チャイニーズマフィア?の怖い生態を良く描いていると思います。この手の無国籍ノワールアクションは大好きです。

ラスト、劉と夏美の別れ、そしておとしまえを予感させる処等うまく纏めていると思います。この世は自分が考えていた様な結末にはならない、いいエンディングだと。

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。             八点鐘

 

www.youtube.com

www.youtube.com



wedplain15.hatenablog.com

 

wedplain15.hatenablog.com

 

wedplain15.hatenablog.com

 

wedplain15.hatenablog.com

 

wedplain15.hatenablog.com

           同じような味付けの映画ですが…

 

「パララックス・ビュー」アラン・J・パクラ監督の要人暗殺を描いた問題作ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「パララックス・ビュー」(1974)です。

 

シアトル、スペースニードルでキャロル上院議員が暗殺された。暗殺者は警備員に追われて、スペースニードルから墜落してしまう。それを見ていた女性レポーターは絶句してしまう。三年後、その女性レポーターがジャーナリスト、ジョー(ウォーレン・ベイティ)の前に現れて、キャロル議員が暗殺された時の目撃者が謎の死を遂げていると彼に告げて、助けて欲しいと懇願される。が、彼は冷たくあしらってしまう。

やがて、彼女が自殺したと聞き、ジョーは調査を開始する。同じように事故死した判事を調査すると、地元保安官がジョーを事故死に見せかけようと襲って来るのだった。巧みにかわしたジョーは、彼が"パララックス会社"の適正テスト用紙を持っていた事を掴む。彼は身分を偽ってパララックス会社に乗り込むのだが…

少し前、トランプ大統領候補暗殺未遂事件が起こりました。幸いにも右耳負傷だけで済んだのは不幸中の幸いだと思います。この作品はあまり知られていませんが、とても興味深い処に焦点を当てて居る映画ということで取り上げてみました。

ハリウッドでは、この手の要人暗殺関係の映画が時々製作されます。一番有名なのはフランケンハイマー監督「影なき狙撃者」でしょう。

この映画も同じようなテーマを持ち、違うのは「影なき…」が共産国の陰謀なのに対して、この映画では米国内の営利会社が社会不適合者を集めて教育し、依頼者からの目標を排除するという映画で、そういう意味ではこちらの方がより戦慄的な内容になっていると思います。

但し、パクラ監督はサスペンス重視する作風でなく、ムード重視の作風なのでそんなに怖くないのが難点でしょう。そう意味では、もう一つ押しが強いともっと興味深い映画になったと思います。

でも、ラスト、ハモンド上院議員政治集会リハーサルでジョーが狙撃犯として嵌められる辺りの描写はとても優れていると思います。とても薄気味悪い映画ですが、そのムードは怖い位良く出ていると思います。

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。           八点鐘

 

www.youtube.com

www.youtube.com

www.youtube.com

 

wedplain15.hatenablog.com

 

wedplain15.hatenablog.com

 

wedplain15.hatenablog.com

 

wedplain15.hatenablog.com

 

wedplain15.hatenablog.com

            同様のテーマを持つ映画