レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

番外編 忘れることの出来ない脇役ヴラデク・シェイバル「デンジャー・ポイント」「10億ドルの頭脳」

レタントンローヤル館にお出で頂き有難うございます。もう二十年程前になりますが、サスペンス映画好きな方なら必ずお会いしたことのある脇役についてお話ししたいと思います。ヴラデク・シェイバルという俳優です。聞いたことないなと思われるでしょう。でも、こう言えば、まあほとんどの人が思い出すでしょう。

あの007シリーズ「ロシアより愛をこめて 」の冒頭シーンのチェスマスターの俳優、そう彼がヴラデク・シェイバルなのです。

最近、動画配信でアリステア・マクリーンの「麻薬運河」の映画、「デンジャー・ポイント」を見ました。米国から派遣された麻薬捜査官シャーマンが、バーバラ・パーキンス扮する相棒マギーとアムステルダムの麻薬組織を壊滅させるプロットで、のちの「フレンチコネクション2」「ブラックレイン」を彷彿させるアクション映画です。この組織のボスを彼が演じます。アムステルダムの運河でのボートチェイスシーンは迫力で、今見ても迫力満点です。「ナバロンの要塞」から始まるマクリーン映画ですが、この映画の後も「巡礼のキャラバン隊(日本未公開)」「爆走!」「黄金のランデブー」「軍用列車」と続きますが、内容的に段々と萎んでいくのはファンとしては悲しいのですが。主演はスベン・バウテル・タウベ、「鷲が舞い降りた」ではドイツ空挺部隊の副官、新しいところではスウェーデン版「ドラゴン・タトゥーの女」では富豪役を演じていました。監督はジェフリー・リーブ。

レン・デイトン原作ハリー・パーマシリーズ「10億ドルの頭脳」では、ラトビアのリガに潜入する工作員”ソナタ”を演じています。この映画の監督はあのケン・ラッセルで、狂信的な歴史、芸術家映画を撮り始める前なので安心して見られます。あの「肉体の悪魔」なんてものすごい映画ですよね。最後の大団円はエイゼンシュタインの「アレキサンドル・ネフスキー」そのもの。その辺りがわからないとこの映画の素晴しさは永遠に解らないでしょう。共演はフランスワーズ・ドルレアック、そうカトリーヌ・ドヌーブのお姉さんです。この作品が遺作になりました。撮影終了後、自動車事故で亡くなりました。そして、ペキンパー「わらの犬」で強烈な印象を残したスーザン・ジョージが脇でチョッピリ。本当に素晴らしいエスピオナージ・フィルムになっています。

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デンジャーポイント

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10億ドルの頭脳

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ヴラデク・シェイバル(ロシアより愛をこめて)