レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

番外編 「ウィンストン・チャーチル」ゲーリー・オールドマンってお好き?

 レタントンローヤル館にようこそお出で頂き有難うございます。今日は約80前の欧州で起こった出来事を映画化した「ウィンストン・チャーチル」を紹介します。

 始めてゲーリー・オールドマンを見たのは、ニコラス・ローグ監督作品「 トラック29」だった。「ジェラシー」というローグ作品が好きだったのでひょっとしたらこの作品もいけるのではと思い鑑賞したが、結果はダメでした。

 この作品「ウィンストン・チャーチル」は分類すれば、政治映画というところですが、日本で公開されたときは辻一弘氏の特殊メーキャップが話題になりましたが、当ブログでは別の切り口でお話しします。映画では、チェンバレン首相が退陣するところから始まります。彼は英国史の中ではほぼ最低の首相だと思いますが、映画の中でもかなり辛らつに描かれています。さらにハリファックス氏も同様で、「ミュンヘン協定」で失敗したにもかかわらず、ドイツとの和睦を試みようとします。

 実際、ドイツ側と和睦すれば、世界史は変わっていたと思います。デイトンの小説「SS-GB」で描かれたフィクションが現実となることでしょう。英国を失った米国は欧州戦争への介入を諦めるかもしれません。ただ、米国は頃合いを見計らって、欧州戦に参加することもあるかもしれません。

 ただ、この時期の英国は本当に大変だったことがわかります。映画はダンケルク撤退がうまくいったところで終わりますが、次に始まる「バトル・オブ・ブリテン」、戦線が太平洋に広がり、マレー沖海戦での敗北、シンガポール陥落と。このチャーチルでなければ、あの戦争を勝利に導くことが出来なかったでしょう。

 この第二次世界大戦初期について詳しく知りたいのであれば、デイトンの「電撃戦」「戦闘機」を読んでいただくとさらによく理解できるかと思います。ついでに「XPD」もこの頃のある出来事がカギとなるミステリーです。ご興味があれば一読を。

 で、この映画、最近「裏切りのサーカス」でジョージ・スマイリーを素晴らしく演じたゲーリー・オールドマンの代表作になるだろうと。チャーチルそっくりの風貌もさることながら時に癇癪もちで気難しいチャーチルをガッチリと演じているのだから。

 もう一つ、いつもおキャンな役柄が多いリリー・ジェームスが結構シリアスな役柄をさらりと演じているには驚きました。監督は「つぐない」のジョー・ライト。 八点鍾

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ウィンストン・チャーチル