番外編「空母いぶき」専守防衛ではなく、次は見敵必殺で

レタントンローヤル館にお出で頂き有難うございます。本日ご紹介するのは「空母いぶき」です。幸運なことに最近劇場で拝見することが出来たのでご紹介します。
戦後70年以上となり、戦後すぐの極東情勢と現在の安全保障状況は著しく変化しています。この「空母いぶき」のような作品が出てくるのも当然と言える安全保障時状況なのでしょう。エンクローズバウとスキージャンプ型甲板を備えたこの空母はとても勇ましく見えます。
原作となる漫画では、「空母いぶき」が交戦する相手は中国ですが、この作品では東亜連邦という架空の国家です。この辺り、原作を忠実に映画化していないとネット非難されている方がお見えでしたが、特に私は抵抗なく受け入れることが出来ました。進行形で進んでいる米中経済戦争で、デフォルトし分裂国家となり、その中の一つ、特に民族主義的な国家が東亜連邦になったと考えれば、そんなに違和感はありません。
映画は、武装された民兵に日本国領の初島が占領されたところから始まります。政府は海上自衛隊に出動を命じます。空母いぶきを中心とした第5護衛隊群の俯瞰ショットは中々見せてくれます。21世紀に入りに、この手の映画は時々公開されます。「宣戦布告」「亡国のイージス」等が当てはまりますが、いずれも武装集団相手ですが、今回の場合、東亜連邦の空母打撃群が初島めがけて進撃してきます。
敵潜水艦からの対艦ミサイル、遼寧型空母、護衛艦、魚雷、ステルス攻撃機等本当に戦闘の連続になります。これは戦争ではありません。あくまでも武力衝突です。両国とも宣戦布告をしていませんから。
映画は中々見せてくれます。個人的な好みを言わせてもらえば、いぶきの格納庫、F35夜間発艦シーン等もう少しディテールが欲しいと。
この手の映画は、良いにしろ悪いにしろ好戦的とか反戦的とか言われます。そういうナンセンスな意見をかわすのが正確な描写だと思います。戦闘活動を正確に描写すれば、それが即下らない意見を超えて好戦的にも反戦的にも見えてくるのです。それぐらい好戦と反戦の境界線は曖昧なのです。
そして、お願いとして今上映されている劇場版とは別の国際版を作って頂きたいと私は思います。官邸、コンビニシーンを少なくし、艦艇生活、戦闘、夜間空戦シーンをもう少し増やした「空母いぶき 立ち上がれASEAN版」なんてね。うまく改編すればフィリピン、ベトナムでは当ると思います。そういう土壌はあるのですから。
監督は、「ホワイトアウト」「沈まぬ太陽」の若松節朗監督。映画はヒットしたとのことですから、出来れば次作も同じテーマで、少しエッジのたった映画をハリウッドからなんていうのを期待しています。黒澤明監督もできなかったことをガツンとこなしてもらいたいです。 見敵必殺!                      八点鍾

注)潜水艦からの対艦ミサイルが飛行甲板を直撃します。劇中では説明されないですが多分高張力鋼板の装甲甲板になっていたのでしょう。先の大戦では、空母大鳳が装甲飛行甲板を装備していました。

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第5護衛隊群