レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

番外編「アナイアレイション/全滅領域」最近ではピカ一のSF映画

レタントンローヤル館にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「アナイアレイション/全滅領域」です。

この映画は本格的なSF映画で、あの「サウンド・オブ・ミュージック」を作り上げたロバート・ワイズ監督の地球外ウィルスと科学者達との葛藤を描いた映画「アンドロメダ・・・」、ゾーンを目指して放浪する男達を描いたタルコフスキー監督の「ストーカー」、突然進化した蟻たちと戦う科学者達を描いたソール・パス監督「フェイズⅣ」加えてSF古典の「ボディスナッチャー」の流れを組む正統派SFです。

最近「メッセージ」と言う地球外生命体とコミュニケーションを図ろうとする映画がありましたが、個人的にはこの映画のような侵略物の方がサスペンスが盛り上がるのでより映画的だと思います。

地球外生命体の侵略を受けたエリアX、調査隊は5名すべて女性。そういう意味でこの映画は女性映画ともいえる。但し、すべて女性だから映画になにがしかの効果を与えているかと言えば、それはありません。
エリアXはシマ―に覆われ、色々なものが破壊されており、地磁気、時間、鰐、鹿、熊あらゆるものが彼女達立ちはだかる。しかし、謎の隕石が落ちたと思われる灯台に行くかなければ・・・
ジェニファー・ジェイソン・リーとナタリー・ポートマンが良い。饒舌でない演技、自動小銃の構え方が良い。全体にとても自然体で、特にポートマンの知的な顔立ちが引き立つ映画だ。前作「エクス・マキナ」もそうだったがアリシア・ヴィキャンデルも知的な顔立ちで、監督の好みなのでしょう。但し、B級テーストたっぷりのラストはちょっと拍子抜けですが、時々このような映画が現れる。1年に1本現れるかどうかですが、知的好奇心を揺さぶるこのタイプの映画が存在するから、映画を見続けることになる。監督はアレックス・ガーランド。この作品が2本目になります。脚本のみの「サンシャイン2057」、太陽が消えかり、地球が氷河期のようになり人類が核兵器を宇宙船に載せてもう一度太陽を再点火する壮大なSF、この映画も素晴らしかった。

日本では、この映画は一般公開されずにNetflixで配信、今回BDにて鑑賞し、ブログを作成しました。こういう作品は手元に置いておきたいので。         八点鍾

 

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IMDb

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灯台に向かって IMDb