レタントンローヤル館にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画はこれもカルトと言ってもいいでしょう。あの「ザルドス(1974)」です。
公開されたときは「未来惑星ザルドス」でしたが、敢て「ザルドス」と呼ばせてください。これは惑星ザルドスの話ではなく、地球の話だからです。ちょっと変わったSFです。以前絶賛した「アナイアレーション絶滅領域」の裏返し版というような作品です。
未来、地球は二つ階層、ボルテックスと外界に別けられており、外界の獣人ゼット(ショーン・コネリー)は外界とボルテックスを行き来する空飛ぶ偶像ザルドスに忍び込んでボルテックスに侵入しするのだった・・・
監督はジョン・ブアマン、リー・マービン主演のハードボイルド「ポイント・ブランク」、これはシビレる作品ですね。「脱出」この作品も素晴らしい。そして、この作品。もう少し予算があればもっと優れた作品になっていたでしょう。何せ、普通のSFと違い、色々な引き出しがあるので、色々な見方が出来、例えば、エリオット、ニーチェ、マルグリッド等々見れば見るほど味わい深い作品だと思います。前半のカットバックシーンなどは「ポイント・ブランク」風で嬉しくなります。
個人的には、コンセプトアートブック、未公開シーン、メーキング含む特典映像山盛りとブアマン自身の原作小説(この映画が公開された時に出版されていました)付秘蔵BDセットなんか発売されたら必ず購入するのに。共演はシャーロット・ランプリング(お年を召しても美しいのですが、この頃は一番美しかった)、撮影は「2001年宇宙の旅」「オリエント急行殺人事件」のジェフリー・アンスワース。なお、このブログを作成するにあたり、通常版DVDを鑑賞しています。 八点鍾