レタントンローヤル館にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「われらが背きし者」です。
この映画、原作があのスパイ小説の巨匠ジョン・ル・カレです。ですから、独特のリアリズムがあり、本作品はロシアマフィアの資金洗浄を扱った作品です。そういう意味では、少し前公開された「誰よりも狙われた男」によく似た作品になっています。
お話はモロッコで休暇中の英国人ペリー夫妻が、偶然知り合ったロシア人ディマからUSB渡され、MI6に渡してほしいと依頼され、帰国後MI6に渡すことになるのが・・・
2011年に「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」が「裏切りのサーカス」として公開された後、彼の作品が良く映像化されています。テレビミニシリーズ「ナイトマネージャー」この作品はオリビア・コールマンが素晴らしかった。未見ですが、その昔ダイアン・キートンがミスキャストだった「リトル・ドラマー・ガール」のミニシリーズも作られています。
彼の原作は文学作品のようで、人はそれをル・カレ・クオリティと呼び、アクション中心のストーリーではありませんので、ちょっと映画にはなじまないのではとも思いますが、前述した作品は良く出来ています。今回の作品も小説より若干アクションが多いのですが、全体として良くまとまっています。個人的には、キャスティングにもう少し冒険して欲しかったと思います。但し、ロシア・マフィア、ディマを演じたステラン・ステラスガルドは素晴らしい。
彼はあの「寒い国から帰ったきたスパイ」で一躍名をあげ、最近、その後日談「スパイたちの遺産」を書き上げています。ル・カレファンの一人としてぜひ、映画化して欲しいと思います。この作品の監督は、新鋭スザンナ・ホワイト。なお、本ブログ作成のために、BD版を鑑賞しています。
最後に、皆さまにお知らせがあります。いつもレタントンローヤル館にお出で頂き有難うございます。ベトナムではなかなか面白い映画が上映されませんので、番外編で色々ご紹介してきましたが、今度別のサイトをご紹介することが出来るようになりました。Cine・Noir シネ・ノワールというサイトです。8/4から皆様が鑑賞出来るように準備中です。今後とも宜しくお願いいたします。 八点鍾