レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「ACROSS THE WATERS」今回はデンマーク映画の紹介です。

レタントンローヤル館にお出で頂き有難うございます。本日ご紹介する映画は「ACROSS THE WATERS」です。

この映画はデンマーク映画です。ベトナムでデンマークの紹介のため、先週から6本の映画を上映しており、その最後の作品がこの映画です。

映画の内容は、1943年コンペハーゲンにいたジャズミュージシャンがナチスのユダヤ狩りに遭遇し、妻と息子を連れて、デンマークの北の端、ギレレジュに向かいそこの小舟に乗り込んで、スウェーデンを目指すというお話です。

お話としては特に珍しいものでも、珍しいエピソードも含んでいません。丁寧且つ誠実に作られた作品ですが、一つだけ要望を言わせてもらえば、演出のスタイルというか旨味が欲しいと思います。内容が内容の映画なのでそんなウソは描けないと言われるかもしれませんが、例えばカンボジア内戦を描いた「キリング・フィールド」という映画では、カンボジアの労働キャンプからタイ国境への逃避行はスリリングで印象的です。ヒチコック「引き裂かれたカーテン」でもバスを使った逃亡シーンはヒチコックテクニック満載で何度でも見たくなります。

でも、付け加えますが誠実に作られてますから、鑑賞して時間を無駄にしたとか、そんなことはありません。

この映画の鑑賞後、ギレレジュの場所が知りたくなりグーグルマップで確認しました。海を挟んだスウェーデンまで10キロ程度の処でこんなに近いところだったんだと改めてビックリしました。まだまだ知らないことが一杯あります。監督はニコーロ・ドナト。

今回上映された作品は以下の通りです。

「ハント」(偽り亡き者)として日本で公開済み

「ハイジャッキング」(シージャック)として日本で公開済み

「ランド・オブ・マイン」(ヒトラーの忘れ物)として日本で公開済み

「キー・ハウス・ミラー」

「ロング・ヒストリー・ショート」

「アクロス・ザ・ウォーターズ」本作

なお、デンマーク映画にはカール・ドライヤー監督「奇跡」というような映画史に残る作品があることを追記しておきます。               八点鍾

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IMDb

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