レタントンローヤル館にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ビリー・ザ・キッド21才の生涯」特別編(2005)です。
「ビリー・ザ・キッド21才の生涯」は1973年に公開されました。映画は悪くはないのですが、何かピリッとしない感じで、ペキンパーファンには物足りない映画でした。当時、製作時に色々トラブルがあってスタジオ側が大幅にカットされた作品だったという噂が流れましたが、続いて「ガルシアの首」が公開されて、とても良く出来た作品だったので、ファンの方は「ビリー・ザ・キッド・・・」のことはすっかり忘れてしまいしました。
ところがです、80年中頃LDで「ビリー・ザ・キッド・・・」特別編が、2005年に再び再編集された特別編がDVDで発売されました。今回は、2005年特別編についてご紹介したいと思います。
映画が始まるとすぐに、パット・ギャレット(ジェームス・コバーン)が暗殺されるシーンとフォートサムーナでパットがビリー・ザ・キッド(クリス・クリストファーソン)に会いに来るシーンが絶妙なテンポでカットバックされ、観客はペキンパータッチに驚かされます。全く別な映画を見ている感じで、画面に引き込まれます。
あらすじはチザムの牛を盗んで生計を立てているビリー達を、保安官になったパットは捕まえますが、ビリーは仲間の手引きで逃亡し、パットはビリーの仲間を一人また一人と殺し、ビリーが隠れているフォートサムナーに潜入するのだった・・・
米国の人達はビリーのことは一つの歴史として良く知っていると思いますので、特別説明することはないでしょうが、私達はそこまで米国史を知っていないので、アンドリュー・V・マクラグレン監督「チザム」をご覧になってから鑑賞するといいかと思います。この映画の前述談リンカーン群戦争が良く描かれています。73年版には牧場主チザムは出てきませんが、この特別編には出てきます。ペキンパー監督も終盤、棺桶屋の親父でチラリと出てきます。
そして、あのボブ・ディランがエイリアスという役で助演しています。73年版にはあまり出てきませんが、この特別編にはかなりの良く画面に出て来るのです。何か謎の男という感じで、本当に良い感じです。
勿論、ディランが出ているので音楽は彼が担当しています。普通であれば、ハリウッドの巨匠ディミトリ・ティオムキンとかジェリー・ゴールドスミス辺りが音楽をつけるところでしょう。特に「天国への扉」はそのカバーシーンと共に素晴らしい楽曲になっています。
ビリーの仲間に撃たれたスリム・ピケンズのあの表情に被るこの楽曲、とても素晴らしくあのシーンが忘れられません。八点鍾