レタントンローヤル館にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「Her 世界で一つの彼女」(2013)です。
近未来、LAと思しき街。セオドア(ホアキン・フェニクッス)はハートフルレター社で働いている。仕事は代筆、社内での評判はいい。妻と別居中で時々彼女の夢を見る。眠れない時もある。時々、深夜のチャットで憂さを晴らす。
ある時、人工知能型OSのパンフレットを貰い、自宅でそのOSをダウンロードする。
AIタイプのOS(サマンサ)は、物凄く有能で加えてとてもチャーミングな反応をして来る。おまけに人間に、その感情にとても興味を持っている。その会話のやり取りがとても楽しい。
ある時、セオドアはデートする。彼女はちょっとエキセントリックでセオドアは身を引いてしまう。それを境に、サマンサは人間の愛情に興味を持ち、サイトから代理恋人を募集して、セオドアと一夜を過ごそうとするのだが・・・
こんな感じでお話は進みます。とても良く出来たSFでもあり、ラブロマンスでもあり、本当に興味深い映画になっています。
エイミー・アダムスが友人として助演しており、実の友人のように演じているので、何か良く出来たドキュメンタリーのようで、面白い味付けの映画になっています。
セオドアを取り巻く人間模様、サマンサ、そして彼の心の中を映しているかのような心象風景のような街並みもとても美しく描かれている。
ラストの余韻のある終わり方もとてもステキだ。
監督はスパイク・ジヨーンズ。監督の頭の良さを示すかのように主演者を絞り、アパートのインテリア、画面の色彩設計、撮影の美しさ、そしてホンの面白さだけで観客を引っ張っていく手腕は見事です。
最後に、声だけの出番しかありませんが、サマンサはスカーレット・ヨハンソンが担当しています。 八点鍾