番外編「白い肌の異常な夜」B級映画の巨匠ドン・シーゲル監督の異色作

レタントンローヤル館にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「白い肌の異常な夜」(1971)です。

何やら往年のユニバーサル怪奇映画みたいな題名ですが、映画そのもの雰囲気をまあ醸し出していますので、私はそんなに抵抗はありません。

ドン・シーゲル監督はアクション、サスペンス映画を得意する監督で、日本で最初に話題になったのはスティーブ・マックウイーン主演「突撃隊」でしょう。私も小学生の頃映画館で観ました。マックウィーンとジェームス・コバーンが真夜中ドイツ軍の地雷原を突破するシーンがとても怖かったことを覚えています。

 

そのシーゲル監督が、イタリアから凱旋したイーストウッドと一緒になって作り上げたのがこの映画です。この映画はアクション映画ではありません。サスペンススリラーです。というより女性の感情、欲望、葛藤を的確に描写した映画です。そういう意味で彼の作品中の異色の一編です。

 

あらすじは、人類史上初の総力戦、南北戦争の末期、南部の女子学院近くで負傷した北軍の兵士マクバニー(クリント・イーストウッド)は女子生徒に助けられる。そこは女性だけの場所で、園長(ジェラルデイン・ペイジ)と教師(エリザベス・ハートマン)、異性に目覚め始めた女子生徒三人の葛藤が始まるのだった。ほんの些細なことから、マクバニーは階段から転げ落ち、右足を骨折してしまう。壊疽を避けるため、園長は彼を食堂に運び、彼の右足を切断しようとするが・・・

 

当時この作品が封切られた時、作品の評判はあまりよくありませんでしたが、今回BD版にて再見したところ、印象ががらりと変わり、本当に良く出来た作品だということを確認できました。特にジェラルデイン・ペイジとエリザベス・ハートマンの演技が素晴らしかった。又、テクニカラーで撮影されたこの作品、食堂での手術のシーンが直接描写がないのですが、その血の赤の色の発色がとても良く、物凄い効果を上げていました。又、時々インサートされる南北戦争の戦闘シーンが総力戦の特徴を効果良く表現していたのが良かった。

 

南北戦争は時々映画になりますが、南北戦争ものは「風と共に去りぬ」を除いて商売にならないとよく聞きます。近作ではクレーターの戦いを描いた「コールドマウンテン」(2003)が有名ですが、私はジョン・ヒューストン「勇者の赤いバッチ」(1951)が好きです。

 

この映画は、最近ソフィア・コッポラ監督でリブートされています。題名を「ビガイルド欲望のめざめ」(2017)といいます。

作品自体が女性監督特有の薄味に纏められており、まず南北戦争が総力戦だったという描写が足りないと思います。加えて、ニコール・キッドマンは品があり過ぎて、クリステイン・ダンストは戦時中なのでもう少し痩せていないと、何か嘘っぽく感じられて、私は映画にのれませんでした。しかし、映画としては良く出来ております。ただ、全体に小綺麗に纏められすぎていますが。

職人肌のシーゲル版は何十本を映画を撮っていますので、さらに器用に纏めていることが感じられました。流石です。 八点鍾

                   

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こちらはソフィア・コッポラ版