レタントンローヤル館にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ゲッタウェイ」(1972)です。
この映画は、ペキンパー監督の作品群の中で最も彼の主張が抑えられ、主演スティーブ・マックイーンの魅力を前面に押し出した作品で、勿論彼のトレードマークであるヴァイオレンスも薄められていますが、暴力の持つ官能性は相変わらず健在です。ですから、彼の作品中最大の興行収入を記録しています。
あらすじは、刑務所に収監されているドク(スティーブ・マックイーン)は、ベニヨン(ベン・ジョンソン)の力を借りて保釈し、妻キャロル(アリ・マッグロー)共にベニヨンの依頼である銀行強盗を行い、ほぼ予定通り現金をせしめたが、仲間のバトラーが現金を独り占めすべく待ち合わせ場所でドクを待っているのだが・・・
原作はジム・トンプソン、私は映画にもなった「内なる殺人者」が好きです。共演はお馴染みボー・ホプキンス、スリム・ピケンズ、アリ・レッティエリ等。音楽は常連であるジュリー・フィールディングではなく、クインシー・ジヨーンズ。
こんな話を聞いたことがあります。その昔ロサンゼルスのリトルトウキョウで東宝が恒例の映画祭を開催しました。ある時「椿三十郎」が上映され、映画を鑑賞した一人の米人がそのラストシーンに物凄く感動し、劇場の人にこの映画の監督を教えてくれと。劇場の係が貴方の名前は尋ねたところ、「サム・ペキンパー」と答えたそうです。
何となく判りますよね・・・・
このブログ作成にBD版を鑑賞しています。 八点鍾