レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

番外編「ペイド・バック」実力派女優ヘレン・ミレンのエスピオナージ・スリラー

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IMDb

レタントンローヤル館にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ペイド・バック」(2010)です。ヘレン・ミレン、ジェシカ・チャステイン、トム・ウィルキンソン等が共演するエスピオナージスリラーです。

 

おはなしは、1965年、三人のイスラエル諜報員が東ベルリンに潜入します。レイチェル(ジェシカ・チャスティン)、ステファン(トム・ウィルキンソン)、ディビッド(サム・ワーシントン)三人の任務は、ナチス戦犯ヴォーゲルを拘束、裁判にかけるためで、彼の拘束までは上手く行くのですが、西ベルリン行の列車に載せるのに失敗し、やむなく彼を監禁するが、ちょっとした油断でレイチェルが襲われ、ヴォーゲルは逃亡してしまう。

仕方なく、彼を殺して死体を始末したということにして三人は口裏を合わせるのだが、三十年後、ヴォーゲルがウクライナで生存しているという情報がネットに流れ、レイチェルはある決断をするのだが・・・・

 

レイチェルを演じるジェシカ・チャスティン(二十五歳の時のレイチェル)とヘレン・ミレン(三十年後のレイチェル)が素晴らしい。特にヘレン・ミレンの偽りの人生を歩んだ苦悩の表情が何とも言えない。チャスティンも右頬を切られる物凄いメークで熱演する。その昔、アーサー・ペン監督「逃亡地帯」(1966)でマーロン・ブランドが熱演した物凄いメークの再現のようだ。キエフの新聞社、病院でのサスペンスもとても良く、本当にウェルメイドのエスピオナージスリラーになっている。

 

レイチェルは任務を果たして、帰還するだろう。だが、三人組でのチーフだったステファンは別の作り話を用意して、レイチェルを迎えるに違いない。それがこの世界のルールだから。監督は、「恋におちたシェイクスピア」「女神の見えざる手」のジョン・マッデン。

 

私の好きな小説、レン・デイトン著「ベルリンの葬送」の中で、主人公とKGBのストック大佐との会話でこんな件がある。

「下手な真実より巧みな嘘」、ここはそういう世界なのだ。

このブログを作成するにあたり、BD版を鑑賞しています。      八点鍾

 

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