レタントンローヤル館にお出で頂き有難うございます。本日ご紹介する映画は「インビジブルマン」です。H・G・ウェルズ原作「透明人間」の映画化です。
映画は冒頭、独占欲の強い科学者エイドリアンの妻セシリア(エリザベス・モス)が深夜、ベッドから抜け出し、妹エミリーの車で逃げだすところから始まります。サスペンスタッチがなかなか好いセンスしています。警官ジェームズの家に居候して隠れていますが、エイドリアンが自殺して、セシリアに遺言として500万ドル与えると弟トムから連絡が入ります。セシリアは前向きに生きようとしますが、いつも何かに見られているように感じたり、会社の面接で倒れたりわからないことが身辺で起き始めます。
ある時、屋根裏に上がりそこを調べるうちに何者かがそこで生活しており、セシリアを監視していることに気付くのだが・・・
以前、ポール・バーホウベン監督主演エリザベス・シュー、ケビン・ベーコンの「インビジブル」(2000)という作品がありました。いつものバーホウベンタッチの作品で面白い映画でしたが、私はこちらの方が優れていると思います。登場人物を押さえて、話もそんなに広げていないし、セットもこちらの方が上手く扱っていて、エイドリアンの家は大変趣味が良いと思います。
監督リー・ワネル、まだ数本しか実績がありませんが、サスペンスの盛り上げ方が上手く、今後が楽しみです。主演エリザベス・モスは個性的な顔で最初から最後まで出ずっぱりで頑張っており、感じクリストファー・ノーラン監督と一緒になって作品を作ると更にその個性的な表情を引き立つのではと思い次第です。
作品は良く出来ていますが、監督、主演女優も少し地味なので日本で公開されるかどうか分かりません。 八点鍾