レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

番外編「拳銃の報酬」ロバート・ワイズ監督の傑作フィルムノワール・・・

レタントンローヤル館にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「拳銃の報酬」(1959)です。

 

『私を最も魅了したアメリカのポリス・スリラー、それは『アスファルト・ジャングル』と『拳銃の報酬』の2本だよ…』と言ったのは有名なフランスの監督、ジャン=ピエール・メルヴィルです。

あらすじは、元警官バーク(エド・ベクリー)、前科者スレイター(ロバート・ライアン)、歌手ジョニー(ハリー・ベラフォンテ)の三名は、ニューヨークから100マイル程離れたメルトンで銀行を襲う計画を立て、実行するのだが・・・

 

とても良く出来たフィルムノワールですが、ちょっと賞味期限が切れていますので、現在の感覚で確認すると、ちょっと枝葉が多すぎて、例えば隣人ヘレンの扱い等、テンポよく進めてもらうのと、もっと面白くなると思います。暗黒街のボス、バコの扱いも軽く、彼の手下が後半の銀行襲撃に絡ませた方がお話が膨らむと思います。

監督は名匠ロバート・ワイズ、ロバート・ライアンとハリー・べラフォンテが良い。シェリー・ウィンターズも色を添えていいのですが、ラストにチラリと出てくれるとメルヴィル「ギャング」のように人の哀れが出て物凄く彼女が映えると思います。

 

但し、暗く乾いた街を写し取った風景は素晴らしく、例えば、映画冒頭のシーン、中盤夕方ミルトンの大通りの街灯が灯るシーン等、メルヴィルが「リスボン特急」で同じショットがあったのを思い出したくらいです。撮影はジョセフ・ブラン。

加えて少しウェットなジャズミュージックがとても効果をあげています。音楽は「大運河」のジョン・ルイス。

ラストは、あの「白熱」のようですが、個人的には「白熱」の方がいいかな。

 

このブログを作成するにあたり、動画配信を鑑賞しています。 八点鍾

 

f:id:wedplain:20070225133856j:plain

IMDb

f:id:wedplain:20200309212927j:plain

f:id:wedplain:20200309212950j:plain

f:id:wedplain:20200309213013j:plain

f:id:wedplain:20200309213034j:plain