レタントンローヤル館にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「八点鍾が鳴るとき」(1971)です。
元々、本日はヴィン・ディーゼルの「Bloodshot」をご紹介する予定でしたが、最近ベトナムでのコロナウィルスの再発が伝えられ、どうやら日曜での映画館の営業中止のため、それならばこの作品をということでご紹介いたします。
この作品、アリステア・マクリーン原作の英国冒険映画で「ナヴァロンの要塞」「荒鷲の要塞」「北極の基地/潜航大作戦」の一連の作品ほどビックバジェットの作品ではなく、もう少し小粒な作品なので主演もアンソニー・ホプキンス、彼の初主演作です。
久々に拝見すると、彼、結構うまいなというところが随所に見受けられ、これならのちにレクター博士で大ブレークするのも納得します。
ストーリーは、英国政府の金塊運搬船ナンツビル号警備の為、乗り込ませた情報員に連絡を取るためにナンツビル号に乗り込んだカルバート(アンソニー・ホプキンス)は、情報員が殺害されているのを確認すると追っ手を振り切って、トーベイ港に停泊している英国海洋調査艇に逃げ込む。そこにはキプロスの海運王スコラスの豪華船シャングリラ号が停泊していた。その船に招待されるカルバートだが、スコラス(ジャック・ホーキンス)には若い妻シャーロット(ナタリー・ドロン)がおり、その関係ははたから見て何かおかしい。
船に戻り、本部に乗り込ませた二人の情報員が亡くなったことを上司アーサー(ロバート・モーリー)に説明すると、すぐに本部に出頭しろと言われるが、そんなことでひるむカルバートではなく、代わりに迎えに来たウエストランド・ウィジョンヘリコプターのパイロットを脅かして、逆に偽の遭難情報を流して、ヘリコプターを使用してナンツビル号の空からの捜索を始める。が、敵もヘリコプターの着陸地点に待ち伏せしており、銃撃を食らい、ヘリコプターは海に落ちるが、不屈の男カルバートは敵の目を盗んで脱出に成功、海洋調査艇に戻るとそこには謎の男が待ち構えていた・・・
ストーリーはそんなに目新しいものではありませんが、カルバートと敵側のシーソーゲームが中々良く出来ており、この手の映画に慣れている人でも結構楽しめると思います(原作者自身が脚本を担当)。但し、バジェットが大きくないのでその辺りが一番の弱点だと思います。
それ故、最後の銃撃戦もすこし迫力が足りないし、ナタリー・ドロンももっと見せ場が欲しいと思います。が、ウェブリーリボルバーとスターリングマシンガンで活躍するアンソニー・ホプキンスは、グレゴリー・ペックのマロリー大尉に負けないほどの貫禄があり、英国冒険映画のヒーローそのものです。
ラストシーンも最初見た時は、甘いなと思いましたが、今見るとシャーロットは金塊1個を伴いながら逃げるのは難しく、結構カルバートは意地が悪いなと思う次第です。
でも、彼女なら逃げ切れると思いますが。
監督はエティエンヌ・ペリエ、あの「ツェペリン」の監督です。こちらの作品の方が遥かに手慣れてきているようです。
このブログ作成の為、動画配信でこの作品を鑑賞しました。 八点鍾
追記
ウェブリーリボルバーを使用する映画のヒーローは、「ラスクムーン」のベルモンドと「未来惑星ザルドス」のショーン・コネリーがいます。両作品ともお気に入りです。