レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「スズメバチ」(2002)です。
フレンチノワールと聞くと見たくてたまらない人は外せない映画でしょう。但し、日本で公開された時は、一部の人からしか評価されませんでした。ご覧になれば分かりますが、フランス映画としてはかなり重量級のアクション映画になっています。
ストーリーは、あのジョン・カーペンター作品「要塞警察」をベースにしています。
フランス、ストラスブール、パリ祭。サンティノ(ブノワ・マジメル)、ナセール(サミー・ナセル)達は巨大物流倉庫を襲い高価なパソコンを強奪しようとしていた。同じ日に独・伊・仏警察の捜査により拘束された凶悪なアルバニアマフィアのボス、ネクセップがフランス空軍輸送機でストラスブール空港に運ばれてくる。
フランス側護送チーム責任者ラボリ中尉(ナディア・ファレス)は、ネクサップを受け取ると護送を開始する。が、高速道路で大事故が発生し、仕方なく市街地を走行することになる。が、途中アルバニアマフィアのボス、ネクサップを助け出そうと襲ってきたマフィアの仲間に襲われて、ラボリ中尉が搭乗する装甲護送車以外は炎上、何とか装甲護送車は逃げ出すことに成功する。
サンティとナセール達の計画はうまく運び、荷物をトラックに積み、倉庫から出ようとする時にラボリ中尉の装甲護送車が倉庫にやってくる。護送車が倉庫に入るとマフィアの連中がその巨大倉庫を包囲し、不気味な暗視スコープマスクをしてサイレンサー付ウージー機関銃で雲霞の如く襲いかかるのだった。ラボリ中尉、サンティノ、ナセール達は脱出できるのか・・・
結構見せてくれます。特にFA-MASアサルトライフルを構えたナデイア・ファレスが色々苦悩しながら任務をこなしていく姿が痛ましく、魅力的です。もう一つ、倉庫のやる気のない警備員を演じるパスカル・グレゴリーが結構いい味出してくれているのも嬉しい処です。
フランス警察は装甲護送車が消息を絶ったので捜索し始めますが、敵は倉庫外に散らばった死体を回収するので中々ラボリ達を捜すことが出来ない。
最後に彼女達は、倉庫にあるコンテナを積み上げて要塞のようにして決戦を挑むのですが・・・
監督はフローラン・エミリオ・シリ、彼はこの作品の後、ハリウッドでブルース・ウィリス主演で「ホステージ」を監督し、再びフランスに戻り、今度はアルジェリア戦争を舞台にした「いのちの戦場 アルジェリア1959」を監督していますが、最近はどうしているかちょっと良く分かりません。まだ、若いと思いますので、頑張ってフレンチノワールを撮り続けて欲しいと願っています。
このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。 八点鍾