レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「男と女Ⅱ (20年後」(1986)です。
この映画は、1966年でカンヌ映画祭パルム・ドームとアカデミー外国語映画賞を受賞した「男と女」の続編です。映画は、クロード・ルルーシュ監督独特の話術で作られており、今回は、特にお遊び映画のように思います。
あれから20年後、ジャン・ルイ(J・L・トランティニアン)は、ランチアチームの総監督としてパリダカールの準備をしている。スクリプトガールだったアンヌ(アヌーク・エーメ)も映画のプロデューサで、戦争大作を公開するがコケてしまう。娘フランソワーズがある劇場でジャン・ルイを見かけたので、次は母とジャン・ルイの物語をミュージカル映画に仕上げて公開しようとする。
ジャン・ルイがその映画の為に、アンヌと親しげにしているのをフイアンセ、マリー(マリー・ソフィー・ポカス)は快く思わなかった。やがて、ラリーチームの仲間と二人はパリダカールラリーのルート調査に出掛けるが、マリーは突然帰りたいと言い出し、深夜二人は近くの空港に向かう。翌朝、マリーはジャン・ルイに間違えてナビゲートしたので私達は遭難したのよと・・・
アンヌのミュージカル映画は完成するが、感動が盛り上がらないため、もう一本映画を製作する。精神疾患患者が病院を抜け出し、主治医の奥さんを殺して自殺するキワモノ映画だった・・・
映画が始まると、弦月が映し出され、あのフランシス・レイの「男と女」のメロディが口笛で流れてくる。とてもいい感じのオープニングである。映画は、「男と女」の画面を挟んで、戦争大作、ミュージカル「男と女」、サスペンス物、西サハラ砂漠シーンと切り替わり中々興味深い。途中ヒチコック監督「ダイヤルMを回せ」のショットも挟まれてくる。私は前作のようなちょっと小粋なラブロマンス映画もいいのですが、こういうタイプの巧みなお遊び映画も大好きですが、やはり映画を見る限りは、興行は水物だな、ルルーシュ監督程の才人で大変だということが感じ入る次第。
でも、アヌーク・エーメは50を過ぎていたが、とても若く美しい。なんと言っても気品がある。素晴らしい女優だ。
ラストシーンも弦月が映し出され、あのメロディーが流れる。
映画にも出ているパリダカール発案者ティエリー・サビーヌはこの後すぐ事故で亡くなり、トランティニアンも2003年、娘マリー・トランティニアンをロックミュージシャンの暴力で亡くした。
エンドクレジットを見ながら色々な事を思い出すのだった・・・
ブログ作成にDVD版を鑑賞しています。 八点鍾
追記 なお、映画には、「男の争い」「太陽は傷だらけ」「狼の賭け」「華麗なる大泥棒」のロベール・オッセンが出ています。