レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「蜜蜂と遠雷」奥行きのある音楽映画、加えて石川慶監督長編映画第二作ですって・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「蜜蜂と遠雷」(2019)です。

 

とても評判の良い作品ということで、BD版を鑑賞しました。漫画「のだめカンタービレ」のような作品かなと思っていましたが、大変立派な作品でビックリしました。そして、大変凝った作り、奥行きのある作品だと思います。小説は読んでいませんが、映画として大変良く出来た作品だと思います。

 

音楽映画、音楽家の伝記映画、例えばケン・ラッセル監督作品等、「シャイン」「戦場のピアニスト」「ピアニスト」(苦手なミヒャエル・ハネケ監督)等色々あります。これらの作品以外にもありますが、ピアノコンクールだけを扱った映画はなかったように思います。

理由は、ピアニストがピアノを弾いているだけの映像で映画を成り立たせるのはとてもとても難しいと思います。観客はすぐに飽きてしまいます。

ですから、この石川慶監督、脚本と編集まで首を突っ込んで作品を創り上げたものと思います。結果として、大変良い結果となり、素晴らしい作品になったと思います。加えて、音楽の藤倉大、音響効果柴崎憲治も大変いい仕事をされていると思います。

 

そして、石川慶監督、素晴らしい表現力の持ち主だと思います。普通に作れば、退屈するシーンを、編集、カメラアングル、音響効果、カットバック等で飽きないように創り上げた手腕は大したものです。それも長編映画第二作目なので驚きです。

特に、ヒロイン亜夜の二次予選で、課題曲「春と修羅」を演奏時に、グランドピアノの屋根に、幼い時、母と一緒に即興で演奏していたカットを映し込む等際立ったことをしています。

Wikiで経歴を見ると東北大学物理学科出身で、ポーランドウッチ映画大学留学という経歴の持ち主で、これから期待の新人と言っても良いでしょう。

この「蜜蜂と遠雷」には、続編「祝祭と予感」という作品もあるので、次作も期待したいところですが、個人的には、ノワールスリラーをお願いしたいと思います。

 

主演者は松岡茉優、松坂桃李、松崎ウィン、鈴鹿央士、鹿賀丈史、斉藤由貴等。

                                八点鍾   

 

追記

この監督、第1作「愚行録」でも編集を兼ねています。編集が好きなんでしょう。

 

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