レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「チェイサー」(1978)です。ジョルジュ・ロートネル監督のハードボイルドスリラーです。
パリ、朝5時。グザヴィエ(アラン・ドロン)は国会議員で友人フィリップ(モーリス・ロネ)が訪ねてきて、彼は国会議員セラノを殺したと告白する。グザヴィエは彼の為、アリバイ作りをして、セラノ議員殺害現場に赴く。そこでは、モロ警視とペルネ警視がおり、セラノ文書と呼ばれるファイルの所在を尋ねられる。
セラノ文書は多くの国会議員が悪行を記したファイルだった。勿論、フィリップのことも記されていた。再び、フィリップに会い、セラノ文書の所在を尋ねると愛人ヴァレリー(オルネラ・ムーティ)に渡したという。グザヴィエはヴァレリーの会いに行くのだが・・・
冒頭、タイトルロールにテナーサックスのむせび泣くような静かな音楽が流れ、なかなか好いムードで始まります(演奏はスタン・ゲッツ)。グザヴィエは実業家ですが、友人フィリップの為私立探偵まがいなことを引き受けます。
愛車は緋色のアルファロメオ2000ベルリーナ、美人の恋人フランソーワズ(M・ダルク)とお膳立ては素晴らしいのですか、ウーンちょっとロートネル監督はミスマッチのようです。例えば「狼どもの報酬」「警部」では、彼の個性が良く出た映画でしたが、この映画では、もう一つのような感じがします。例えば、輸送中の自動車が彼の車に落ちて来るシーン等は、一番の見せ場ですがあまり盛り上がりません。
黒幕の一人としてクラウス・キンスキーも共演していますが、「戦場のガンマン」とか「アギーレ/神の怒り」の方がより印象的でした。但し、映画全体のムードとオルネラ・ムーティはとても良かったと思います。フランス製サスペンススリラーが好きな人は満足される作品だと思います。
ブログ作成にBD版を鑑賞しています。 八点鍾