レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「華氏451」フランソフ・トリュフォー監督唯一のSF映画・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「華氏451」(1966)です。

 

ヌーヴェルヴァーグ派の代表的監督、男女の愛憎を新しい感覚で表現していたトリュフォー監督がレイ・ブラッドベリ原作「華氏451度」を映画化した作品です。尊敬しているアルフレッド・ヒチコック監督のスタイルを多用して表現しているのが良く分かります。

 

近未来、ある独裁国家。すべての住宅は防火対策が十二分に施されるようになり、消防局の仕事は決定的に変わることになった。それは、人の思想に有害な作用をもたらす書物を燃やすこと、燐書になった。

燐書官(ファイヤマン)モンターグ(オスカー・ウェルナー)の仕事は、タレコミのあった場所に出向き、書物を捜して、周りの住民の前で焼却すること。自宅から近代的なモノレールに乗って、451事務所に毎日出社する。自宅には双方向性の大型スクリーンがあり、知識を得たり、意見を送ることが出来る。書物には、まったく興味がないわけではなかったが、ある時、古い屋敷の私設図書館を焼却した時、そこの女主人は、書物と共に焼死するのだった。それを見たモンターグは何かが変わるのだった・・・

 

この作品は、タイトルロールがありません。様々なテレビアンテナが映し出され、題名、主演者、監督等がナレーションで説明されるのです。なかなか面白い試みだと思います。

その昔、テレビ放映を一度見たきりで今回改めて鑑賞しましたが、トリュフォー監督のスタイルのSFには向いていないことが判りました。又、色々なセット、小道具もSFらしくなく、この辺りはジャン=リュック・ゴダール監督「アルファヴィル」辺りを参考にした方が良い結果が得られたかもしれません。

 

とは言っても、トリュフォー監督なので、冒頭バーナード・ハーマンの音楽と共にファイアマン出動のシーン等はとても良い仕上がりで、これからどんな形でストーリーが展開するのかワクワクさせてくれます。

ラストシーンの"本の人々"のシーン等は、心地よい感動を味合わせてくれますが、反対にモンターグの妻(ジュリー・クリスティ)と活動家クラリス(クリスティ2役)は、あまり成功しているとは思えません。理由は、トリュフォー自身が英語をあまり喋ることが出来なかったので、色々とトラブルが発生したためと聞いています。

とは言っても、異色のSF作品なので何がしか得るものがあると私は思います。

 

ブログ作成にDVD版を鑑賞しています。         八点鍾

 

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