レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士」(2010)です。スウェーデン発のノワールスリラー第三弾、これがトリになります。
前作最後で、リスベット(ノウミ・ラパス)は異母兄妹のニーダーマンと父ザラチェンコから数発の弾丸を受け、埋められるのだが辛くも脱出、ニーダーマンは逃げるが、ザラチェンコはリスベットから斧で切り付けられ重症。二人はドクターヘリでストックホルムに運ばれる。
が、入院中のザラチェンコが暗殺され、暗殺者はその場で自殺。ミカエルはザラチェンコの過去を洗い始める。ザラチェンコはソ連のスパイでその立場を利用して非合法活動をして、粛清されそうになり、スウェーデンに亡命。スウェーデン政府は彼から色々な情報を得た。それを利用して公安警察の中にあるセクトが出来た。ザラチェンコ達は今でも少女人身売買等犯罪行為をしており、そのセクトとの繋がりを絶つため、セクトの一人がザラチェンコを殺したのだった。
そして、セクトはリスベットを口封じのため再びの精神病院に入院させるべく法廷闘争を仕掛けてきた。対して、ミカエルとリスベットはそのセクトを潰すべく対抗策を取りのだが・・・
という具合に、36年前の少女失踪事件から連続殺人事件、少女人身売買、公安警察内の非合法セクト組織と留まるところを知らないスティーグ・ラーソンの想像力と、褒めたたえるべきでしょう。というより何か参考になった事件があったように思います。本当におぞましいストーリーです。
実際、こんな事件が起こったら、何処の国の政権でもあっという間に瓦解するでしょう。監督は前作と同じく、ダニエル・アルフレッドソン。判り易く丁寧な演出に徹して大変良く出来ています。
前作から、リスベットは窓辺に怨嗟を込めてストックホルムの旧市街辺り(ガムラスタン)眺めるショットが何度もインサートされます。この作品もそのショットで映画が終わります。政府によって人生をめちゃくちゃにされた彼女の憤怒の心情が良く判るラストになっています。
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