レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「トパーズ」巨匠ヒチコック監督、最後のエスピオナージスリラー、そのラストが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)におこし頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「トパーズ」(1969)です。

 

マスター・オブ・サスペンスのアルフレッド・ヒチコック監督、最後のエスピオナージスリラーになります。前作「引き裂かれたカーテン」と共に余り評価が高くない作品ですが、私はかなり好きな映画です。そりゃ、「北北西に進路を取れ」と比較されると評価が落ちますが、スパイスリラー作品全般の中でのポジションとみれば、やはり良く出来ています。

 

今回の舞台はキューバで、そこでスパイ活動をするフランス商務官デュプロ(フレデリック・スタフォード)の活躍を描いています。原作はレオン・ユリスの同名のベストセラー小説。

冒頭、コペンハーゲンでのKGB高官家族の百貨店前での亡命シーン、ニューヨークでのキューバ政府秘密文書撮影シーン、キューバの反政府組織リーダー、ファニタの部下による諜報活動のシーン、リコ・パラ(ジョン・ヴァーノン)によるファニタ殺害シーン等ヒチコックタッチは健在です。普通の監督には出来ないセンスを彼は持ち合わせています。

 

デュプロは米国の依頼でキューバで諜報活動を行ったことでフランスに戻されますが、

亡命した高官から仏政府高官に暗号名トパーズというスパイがいると聞かされます。

数日後には、米国政府から仏国にキューバ危機を説明する訪問団が到着します。彼はその前にトパーズの正体を掴まなくてはならないのだが・・・

 

戦前からヒチコック作品をリアルタイムでご覧になっていた人達には、評判がとても悪い作品ですが、前述したように私は良く出来た作品だと思っています。特に、最後が肩透かしとかいう方が多いそうです。

 

ラストは色々と揉めたようです。最近では、その辺りの映像がBDの特典となっています。ヒチコック自身はデュプロとトパーズの決闘で終わりたかったようですが、前時代過ぎるということで、ユーモアあふれるトパーズが飛行機で逃げ去るラストを用意しましたが、これも没になり、トパーズが自殺するラストになったようです。

 

私個人は、トパーズが悠々と逃げ去るラストがこの映画には、というよりヒチコック映画に相応しいと思います。暗いラストはヒチコック映画には合いません。

今回、ユーチューブにラストを纏めたシーンを見つけました。興味のある方はご覧ください。但し、日本語字幕は付いていません。         八点鍾

 

www.youtube.com

 

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