レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ローリングサンダー」(1977)です。
ハノイでの捕虜生活を終えて、サン・アントニオに戻ったレイン少佐(ウィリアム・ディヴェイン)が、ベトナム戦争の英雄として貰った赤のギャデラックと銀貨2,555ドルだが、地元のギャングに、右手をディスポーザーで潰され、銀貨は奪われ、妻子迄殺されてしまう。
病院を退院すると、復讐の為メキシコ、ファレスにいる奴等を殺すべく出掛けるのだった。頼りになるのは、エルパソにいる部下ジョニー伍長(トミー・リー・ジョーンズ)と特務曹長を父に持つリンダだけだった・・・
この作品は、以前紹介した「ドッグソルジャー」と同じくベトナム帰還兵映画で、「ドッグ・・・」はちょっとしたことから麻薬密売に手を染める話でしたが、こちらは前述したように妻子が惨殺され復讐の為、私戦を実行する映画になります。
ベトナム戦争をまぶした西部劇と言って良いかもしれません。でも、原案、脚本がポール・シュレーダー(ザ・ヤクザ、タクシードライバー)なので、あの伝説の「ワイルドバンチ」の如く、殴り込み映画になっています。
主演ウィリアム・ディヴェイン(マラソンマン)、トミー・リー・ジョーンズ、特にジョーンズ氏がキレた突撃野郎の如く、「少佐殿、地獄の底まで付いて行きます」とバッチリと護衛役を演じているので面白くないわけがありません。弾けているというのかキレていると言うのか、彼を見ていると癒されます。
加えて、この映画も「悪の法則」「ノーカントリー」「ボーダーライン」のようにファレスが物語の核になります。ファレスの売春宿にいるギャング共に殴り込みをかけ、二人はショットガンを乱射して、大暴れします。
当時、この冷たい残酷描写が話題になりましたが、今の感覚では、そんなに大したことありません。
ギャング共(その中の一人をルーク・アスキューが演じています)を皆殺しにして銃弾を何発も受け、ボロボロになった二人が肩を抱きかかえながら、よろよろと立ち去っていくラストは、男気溢れ、この手の映画好きには大喝采ものでしょう。
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