「総進撃」フランチェスコ・ロージ監督の反戦映画ですが・・・

レタントンローヤル館にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「総進撃」(1970)です。

 

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社会派の名匠フランチェスコ・ロージ監督作品です。彼の作品は「挑戦」「シシリーの黒い霧」「黒い砂漠」「コーザ・ノストラ」「ローマに散る」等で、本当に硬派題材を好んで取り上げる映像作家でした。この作品は、第一次世界大戦での軍隊組織の問題を鋭くえぐった作品と言って良いでしょう。

 

第一次大戦、イタリアーオーストリア山岳戦線。フィオーレ山頂を占拠していた伊軍は、撤退命令を受け撤退しますが、再び、占拠すべきと命令を受け、フィオーレ山に向かう。師団長はアラン・キュニ扮するレオーネ将軍とのその部下サッス中尉(マーク・フレチェット)、オットレンギ中尉(G・M・ボロンテ)。

 

レオーネ将軍は、戦争好きだが、本当に軍事教育を受けているのかと思うような男。ただただ突撃のみを繰り返し兵士の損害を意に介しない。このような能力のない男が指揮するのだからフィオーレ山頂は攻略は上手くいかない。

やがて、部隊は抗命事件を起こし、反乱一歩手前まで行く。軍は首謀者を10人中1人選出し、銃殺刑にする。オットレンギ中尉は時機を見て、師団長を殺そうとするが次の総攻撃時に戦死する。

 

再度、総攻撃時に再び抗命事件が起き、再度サッス中尉指揮で首謀者を銃殺しようとした時、銃殺隊が選出された兵士を銃殺せずにその場にいた少佐を銃殺、総攻撃を行う。

攻撃後、サッス中尉は責任を取らされ銃殺されるという救いようのないストーリーです。

 

内容としては、キューブリック監督作品「突撃」と良く似ていますが、あくまでも個人的な意見ですが、「突撃」で死んだ兵士の方が幸せと思えるぐらい、こちらの戦線は非情。あの指揮官もあまり有能ではありませんが、こっちはもっと酷い。特に鉄の鎧を装着した兵士の顛末が・・・

 

もう一つ、映画では部隊全体の抗命事件が起きますが、実際、起きると最前線でも指揮官更迭は当たり前になります。伊軍は上手くもみ消せるのでしょうか?多分に事実を基に作られた映画だと思いますが、何かおかしくも感じます。

 

又、冒頭、フィオーレ山頂を巡る話がしっくりこなく、もっと長い映画を無理やりカットした印象を受けます。私が鑑賞したのは101分の作品です。何か大事なところがカットされているのでは勘ぐってしまいます。

 

「恋人たち」「サテリコン」「エマニエル夫人」等で有名なアラン・キュニがこんなポンコツな師団長を演じることが出来るとはちょっと驚きました。ボロンテは何時ものようなボロンテでしたが。

 

ブログ作成にDVD版を鑑賞しています。        八点鍾

 

追記

数名による抗命事件を扱った映画は、深作欣二監督「軍旗はためくもとに」が有名です。何度も見たい映画ではありませんが・・・

 

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IMDb

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こちらは有名な「突撃」

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深作監督「軍旗はためく下に」