「ローマ」美しいモノクローム映画 アクションシネアストも癒されてと思いましたが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ローマ」(2018)です。本作は、アカデミー監督、撮影、外国語映画賞を受賞しています。

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IMDb

 

時々、良心の呵責を覚えるのか、いい年してまだB級アクションかよと陰口を叩かれるのも嫌になり、たまにはB級アクションではなく、芸術の芳香漂う作品をと言うことで選定しました。本当はもっと早く鑑賞したかったのですが、Netflix公開だったので時間がかかりました。

 

アルフォンソ・キュアロン監督は、前作「ゼロ・グラビィティ」を大ヒットさせたので、こういう丁寧に作り上げた小品も製作できるのでしょう。良く出来た映画です。

 

映画は、メキシコシティにあるコロニア・ローマのアッパーミドルクラスの日常を丁寧に作り上げたもので、特に撮影、ワンテイクは長く、横移動ショットが素晴らしいと思います。ただ、テンポが遅くて、何がしかドラマになるのが上映開始40分位からで、本当に映画好きの方でないと辛いのでは。私も丁寧な生活描写でエンドマークが出る映画だと覚悟していたら、じわりじわりと色々な出来事が起こり・・・

 

が、この作品、あの「宇宙からの脱出」(1969)映画内映画で取り上げられ、ある記憶が蘇りました。あの時代か・・・

あの時代、メキシコではこんなのだったのかと・・・

このあまり知られていない、手垢の付いていない「宇宙からの脱出」を登場させたことがある意味、キュアロン監督の見識でしょう。まさか、この時に子供達が「マッシュ」を見ることはないでしょうから。

 

ハリウッドではニューシネマが・・・、日本では、高度成長、公害問題、米国ビックスリー(GM、フォード、クライスラー)日本市場開放要求、学生運動等々色々と荒れていましたが、このメキシコのコーパスクリスティの虐殺から見れば、ままごとみたいな物だし、そう、「ノルウェイの森」とほぼ同じ時代と考えてもらうと。

 

オリンピックを終えたばかりのメキシコですが、色々な矛盾が噴出し始めていたことが判ります。日本の場合、一つ一つ解決して、先進国になったわけですが、メキシコは問題を解決できずに、1982年、1994年に経済がディフォルトし、なかなか好転しないようですし、国内にはファレスのような警察だけでは治安解決できないような場所もあり・・・

 

メキシコと比較すると、日本は幸せでした。この差はどこから来たのだろうかとずっと考えて鑑賞していました。

もう一つ付け加えると、前作も含め、この監督は、男は役に立たないという主張があるようです。愛人つくってとんずらしたり、「ゼロ・グラビィティ」でもジョージ・クルーニに諦めるのも大切なことだよと言わせてたり・・・

まあ、私は理解できますが・・・

 

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。

 

追記

宇宙からの脱出はグレコリー・ペック主演のSF映画です。アポロ宇宙船がトラブルの為地球に帰還できなくなり、NASA統括責任者キース(グレゴリー・ペック)があの手この手が頑張って確か一人亡くなりますが、ソ連の助けを借りて何とか帰還する話だったと思います。

シネラマ大作「北極の基地/潜航大作戦」がとてもお気に入りの作品且つ、監督がジョン・スタージェスだったので、公開されるや否や劇場に駆け付けた記憶があります。

だから、あの時代か・・・と記憶が鮮明によみがえるのです。

私が映画の楽しい思い出しかないのに、この映画では、辛くて苦い思い出ばかり、主人公クレオのボーイフレンド、フェルミンは民兵になって何れ殺されるだろうし・・・

 

もう一つ、ある人から面白い話を聞きました。

(経済学者の)クズネッツが言ったが、世界には先進国・途上国・日本・アルゼンチンの4種類の国しかない。先進国と途上国も固定メンバーだ。例外として、日本は途上国から先進国に上がったが、アルゼンチンは逆に先進国から途上国に下がった。その意味で、両国ともに面白いと。

 

幸い日本は先進国になりましたが、ずり落ちない様に更なる国家運営が必要と言うことでしょうか?

 

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この映画は白黒作品です。

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宇宙からの脱出 カラー作品ですが映画の中ではモノクロームで。