レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「マクベス」スプラッター風味のポランスキー版シェイクスピア映画ですが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「マクベス」(1971)です。

 

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IMDb

ロマン・ポランスキー監督作品ですが、彼のキャリアの中では特に異色の作品です。理由は、あのシャロン・テート事件の後に製作した作品なので、暴力描写、流血でベッタリ濡れた作品になっています。現在の基準から見れば大したことないかもしれませんが。加えて、この作品はあのプレイボーイ社が映画に出資した最初の作品でもあります。

 

物語は、もう大変有名な作品なので簡単に期しますが、三人の魔女に翻弄される武人マクベスの悲劇、ノルウェー軍との闘いで武勲を上げたマクベスが魔女たちの予言通りに

王になるが、又その予言通りに破滅するというもの。

 

この戯曲を題材とした映画は、未見ですがオーソン・ウェルズ監督「マクベス」、黒澤明監督「蜘蛛巣城」、最近ではジャスティン・カーゼル監督「マクベス」等ありますが、映画として見ると「蜘蛛巣城」とこのポランスキー版「マクベス」が優れていると思います。

 

そのどろどろとした暴力描写は於いて、時代考証、主演二人ジョン・フィンチとフランチェスカ・アニス演技、サード・イヤー・バンドの民族音楽風実験音楽などとても優れていると思います。

 

又、ラストのマクベスとイングランド軍兵士、マクダフとの剣劇シーン、動きの激しさ、剣と甲冑、剣がぶつかりあう音響効果等とても迫力があります。特にマクダフと一騎打ちで戦いの最中、マクベスは王冠を落とします。でも、さっと拾い頭に載せるシーンはマクベスの権力欲を上手く表した演出だと思います。

サスペンススリラー、ホラーを得意としたポランスキー監督の技量の広さに驚くばかりです。

 

但し、この監督、私生活では、小児性愛者、未成年淫行、保釈中逃亡等色々と問題がありますが、私は大変優れた映画監督だと思いますし、彼の作品はどれも素晴らしいと思います。

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。        八点鍾

 

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ロマン・ポランスキー監督

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