レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「残された者 ‐北の極地‐」新人監督のサバイバルスリラーですが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「残されし者 ‐北の極地‐」(2018)です。

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監督はブラジル出身の新人ジョー・ペナ、IMDbで経歴を調べるとYouTuberからスタートしたようです。そう、そういう時代なのですね。良い映画を作ってくれれば、こちらしてはどんな経歴でも構いません。

 

映画は、飛行機事故で北極圏に淡々と遭難生活しているオボァガート(マッツ・ミケルセン)を丁寧に描写します。毎日、大地に書いた"SOS"の文字の補修、魚を捕獲するための罠を仕掛け、定期的に救難信号を発信する。

この北極圏の雄大な風景が素晴らしい。北極熊に保管していた魚を食い荒らされたりしますが、やがてヘリコプターが助けに来ます。が、暴風が見舞われて墜落。女性パイロットを救出しますが、腹部に傷を負い動けない。

 

待っていても救出に来ないので、ヘリコプタに在った地図を頼りに一番近い観測基地まで彼女を連れて、移動することを決心するのだが・・・

 

この作品はサバイバル映画です。最近では「レヴェナント」という素晴らしい作品がありました。それ以外でもレアム・ニーソン主演の異色作「THE GRAY 凍える太陽」、火星を舞台にしたリドリー・スコット作品「オデッセイ」、古い映画ですがロバート・アルドリッチ監督「飛べ、フェニックス」もとても良かったと思います。

 

勿論、この作品は新人監督の作品なので、前述した作品には及びませんが、映画前半の遭難生活のルーティン部はしっかりと描けており、又登場人物が二人なので、うち一人は負傷しているので何も喋りません。この作品は、まるでサイレント映画の様、その辺り監督自身の力量を考えているのかなとも思います。個人的にはもう少し演出にメリハリがあればと思います。

女性を橇に載せて、オボァガードが延々と歩くだけでは。但し、ミケルセンの熱演は素晴らしいと思います。

 

前述したようにアイスランドで撮影した風景は雄大で、とても良いセンスしていますので、何れブレークすることを願っています。撮影監督はトーマス・オン・トーマス。

 

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。          八点鍾

 

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