レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「テネット」スーパーエージェントは、時空を超えて世界を救う・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「テネット」(2020)です。

 

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前作「ダンケルク」で3つの時間軸をうまく纏めた実験戦争映画を製作したクリストファー・ノーラン監督の最新作です。

 

この作品も一言で言えば、大変ユニークな構成を持ったSFエスピオナージスリラーです。多分にB級ティスト味なところが嬉しくなります。007映画を横目で睨みながらこういうスリラー映画が作りたかったのでしょう。

 

映画は、ウクライナ、キエフ国立オペラハウスがテロリストに占拠されるところから始まります。が、占拠されるや否や特殊部隊が押し寄せ、加えて"アメリカ人"と呼ばれる特殊部隊3名(うち一人が主人公:ジョン・デビィッド・ワシントン)、彼ら3名は別の要人救出を目指していたのが、ウクライナ特殊部隊に発見され、うち2名は拘束され、拷問を受けます。主人公は毒入りカプセルを飲み自殺します。

 

が、気が付くとそこは船上で、別の男がいて、あの作戦はフェイクだ、君の作戦に対する取り組み方を評価するので、別の作戦に参加して欲しいと。この作戦を遂行できるのは君だけだと。そして、テネットと言う言葉を忘れるなと。

 

別の建物で、ある女性から未来からこのような物が送られてきていると説明を受ける。それは"時間を逆行する弾丸"で、その弾丸の金属には特殊な成分が含まれており、それを扱っているムンバイにいる武器商人プリヤから亡命ロシア人武器商人セイター(ケネス・プラナー)が扱っているプルトニウム241の追跡をニール(ロバート・パティソン)と二人で始めるのだが・・・

 

思うに、ノーラン監督は007タイプのスパイアクションも、ル・カレ原作のエスピオナージスリラーも作りたくなく、自分独特の話術で語れるアクションスパイスリラーを製作したかったのだと思います。

 

その視点から見れば、大変良く出来たノーランワールドのスリラー映画になっています。でも、逆行する弾丸はやはり時間を逆行するので、タイムトラベラーストーリーになり、それはそれでいいのですが、やはり言葉が良くないのですが、複雑さが出てきて、判り辛くなったのではと思います。

 

でも、私から見れば、これはB級ティスト味でなのでとても嬉しくなりました。それをオーバー200億円の予算で映画化しているので面白くないわけありません。

ディテールも、例えば双胴ヨットのレースシーンとか、オスロ空港のフリーポートなる富裕者向け荷物預かりシステム(これは良い脱税倉庫ですね)等とても面白いと思います。

 

この作品では、ケネス・プラナーが、貫禄たっぷりの、サディストの武器商人を演じて素晴らしい。

エリザベス・デビッキは美しく気品がありますが、もう少し色気が欲しいと思いますが、ノーラン監督あまり女性を描くのが上手くないのかもしれません。

 

この作品は、この秋一番の楽しいアクション大作だと思います。バッチリと当てて、がっぽり稼いで、次作もサスペンススリラー大作を期待しています。        八点鍾

 

追記 この作品はドルビーシネマで鑑賞しました。音響効果が素晴らしく、大変楽しめました。やはり、この手の作品は、IMAX又はドルビーでと言うことになるのですかね。

 

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