レタントンローヤル館

主に映画のお話

「溝の中の月」J・J・ベネックス監督の不条理サスペンススリラー・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「溝の中の月」(1983)です。日本公開は1987年です。

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IMDb

「北極の基地 潜航大作戦」と同じように巷の評価は悪いが、この作品、個人的に好きでたまらない映画です。不条理サスペンスで最初鑑賞した時は、えっこれでお終いなのとわが目を疑いました。色々調べてみると、本当はベネックス監督は3時間程度の作品にしたかったとか。でもスタジオ側がフィルムを廃棄していた為、ディレクターズ版も作ることが出来なかったとか。

日本で公開されたのは130分版で、今回鑑賞したのは137分版です。少し分かり易くなっています。「ディーバ」がヒットして結構好き勝手に製作した作品ですが、やはり商売のことを考えて作って欲しかったと思います。

 

映画は、フランスの地方都市。ごみ溜めのような港街。波止場の肉体労働者が集まる"ミカド"というバーに夜な夜なジェラール(ジェラール・ドパルデュー)という男が現れる。ジェラールは溺愛していた妹がいたが、少し前、バーの近くで男に襲われ、それが原因で自殺した。

 

ジャラールはその男を許せなく、夜な夜なバーに出向いて犯人を捜して、落とし前を付けようとしていた。

ある時、ニュートン・チャニングという男と会い、彼を迎えに来た妹ロレッタ(ナスターシャ・キンスキー)に惹かれる。ジェラールは家族が住んでいるボロ屋に帰ると、家庭は妹が亡くなった為、崩壊寸前。そこへロレッタがやって来て、二人は、彼女が乗る真紅のフェラーリ250GTスパイダーに乗り込み波止場にドライブに行く。

ジェラールは、昔の妹の想い出を語り・・・

 

映画は凝った画面構成、移動撮影でなかなかの作品だと思います。但し、色々な場面をわざと乱暴に編集している感じもあり、筋が判りずらいというか、そのシーン、そのシーンを丁寧に演出していますが、シーンの繋ぎがお粗末のような感じがします。

多分、長いので無理やりカットして判りずらくなったものと思われますが、このプロットで3時間は、観客にとって苦痛かもしれません。原作はデビイド・グーディス、良く判りませんがフランスで好まれる作家です。映画化作品は「ピアニストを撃て」「狼は天使の匂い」があります。

 

が、私は何度見ても飽きません。ロレッタとジェラールが初めて会うシーン、他の世界に挑戦せよという看板、深夜の波止場のドライブ、昼中にロレッタが波止場に現れジェラールと悶着を起こすシーン、バナナ倉庫でのアクションシーン等とても凝った画面で素晴らしいと思います。この作品ではセットの使い方にフェリーニの影響があるようにと思います。

ネタバレですが、最後まで犯人は分かりません。そういう意味でとても変な味を持った作品です。

 

ガブリエル・ヤレドの音楽も雑音の様な曲もあれば、物凄く耽美な曲もあり、これも又とても好きなサウンドトラックです。

 

ベネックス監督は、もう映画製作を止めたような感じですね。「ロザリンとライオン」「ベティ・ブルー」「IP5」どれも好きな作品でした。

もし、機会があれば、どれも素敵な作品です。是非、ご覧ください。

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。      八点鍾

 

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