レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「007 ロシアより愛をこめて」サー・ショーン・コネリーの記念的007映画、エスピオナージアクションの傑作

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「007 ロシアより愛をこめて」(1963)です。日本公開時は、B級映画のような「007 危機一発」という邦題でした。私はこの邦題の方が好きですが、その後リバイバル公開時に現在の題名に変更された経緯があります。

 

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この作品は、ショーン・コネリー主演007シリーズ中最も完成度の高い作品だと思います。コネリーも前作「ドクター・ノー」より遥かにボンド役が板について好演です。

この作品は、特に脇が素晴らしいと思います。特に戦う男を演じると光り輝くロバート・ショー(「バルジ大作戦」「バトル・オブ・ブリデン(空軍大戦略)「ジョーズ」「サブウェイ・パニツク」「ブラック・サンデー」)、スペクターNo5 "ステトラジスト"を演じるヴラデク・シェイバル、一目見たら決して忘れることが出来ない容貌、これで面白くないわけがありません。

 

その昔、日本で公開された時は間諜物なんて呼ばれたこのシリーズ、映画に新しいカテゴリーをもたらしました。勿論、以前からこの種の作品はありました。例えば「海外特派員」「五本の指」、英TVシリーズとしてパトリック・マグハーン「秘密指令」がありました。このシリーズがヒットしたことで、エピゴーネンとして電撃フリント、マットヘルム、ハリーパーマーシリーズその他イタリア製スパイものが大量に押し寄せてきましたが、成功した作品はこのシリーズだけです。日本でも例えば、陸軍中野学校シリーズ、百発百中シリーズ、TVシリーズスパイキャッチャーJ3等・・・

 

映画は、世界的チェスプレイヤー、クロンスティーン(ヴラデク・シェイバル)はスペクターNo1にノー博士報復計画を提示する。それは元ソ連スメルシュ、クレッブ大佐を巻き込んだ計画で、ソ連暗号機「レクター」を餌にボンドをイスタンブールに誘き寄せ、暗号課員タチアナと冷酷な殺し屋グラント(ロバート・ショー)が待ち構えていた。それは最も辱べき方法での殺害計画だった・・・

 

皆さん、ご存知の様に東西冷戦を舞台にしたエスピオナージアクションで、ホンが本当に良く出来ています。前半一時間強は、古都イスタンブールの風景、特に地下水道、英ソの謀略戦、ソ連大使館会議室の監視用潜望鏡、ロマ族での女同士の戦いなどB級アクションらしく手堅く纏めていますが、暗号機「レクター」を強奪後、オリエント急行での逃避行は、ヒチコック「バルカン超特急(レディ・ヴァニシュ)」を彷彿させ、本当に素晴らしい。

そして、ボンドとグラントの死闘では、Q課によるアタツシュケースがサスペンスを盛り上げます。スペクターの逃走ルートを利用してベネチア迄逃げますが、最後の最後まで敵の魔の手が・・・

 

もし、鑑賞していない方がいるのであれば、ご覧になった方が良いと思います。古い映画は、どうしても演出スタイルが古く、気が抜けたビールのようだと思われる方もいますが、昨日再見しましたが、どうしてどうしてボンドとグラントの死闘、ヘリコプター、スピードボートのシーン等昔の映画と言って侮どることが出来ません。ジョン・バリーの音楽と共に本当に良く出来ています。

又、この作品はテレンス・ヤング監督最良作の一本です。

 

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。     八点鍾

 

 

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