レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「クイルズ」シャラントン精神病院での洗濯女マドレーヌとマルキ・ド・サドのお話ですが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「クイルズ」(2000)です。 

 

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IMDb

あのサド侯爵が晩年幽閉されていたシャラントン精神病院での出来事を映画化した作品です。監督があの「ライト・スタッフ」「存在の耐えられない軽さ」のフィリップ・カウフマンです。

 

映画は、フランス革命時のサド侯爵(ジェフリー・ラッシュ)から始まります。冒頭、冷ややかな眼差しでギロチン処刑される貴族娘を見詰めるサド侯爵、彼は革命の本質を見抜いていたに違いありません。

 

十数年後、シャラントン精神病院に幽閉されたサド侯爵は、独房の中で愛欲小説を書き

洗濯女マドレーヌ(ケイト・ウィンスレット)がシーツと一緒に持ち出し秘密出版されていた。シャラントン精神病院はアッべ病院長(ホアキン・フェニックス)によって穏やかに運営されていた。

 

皇帝ナポレオンは、秘密出版を許さず、新しい病院長コラール博士(マイケル・ケイン)を送り込み、サド侯爵の秘密出版を潰そうとするのだが・・・

 

サド侯爵とシャラントン精神病院と言えば、あの「マーラ/サド(1967)」があります。この作品は、フランス革命について何がしかの知識がないとついて行けない映画で、昔、劇場で鑑賞した時は、もう苦痛以外何物でもないという代物。

対して、この作品はそういう知識はいりませんが、やはり、知らないより知っていた方が面白く楽しめると思います。たくさん知っているともう嬉しくてたまらない作品かもしれません。

 

このダグ・ライトが創作した戯曲は、本当に優れています。とても上手い。

時々、映画もう見るのを止めようと思う時があります。そういう時に限って、この様な作品が現れるのです、ホントに。弱いですよね、この手の映画。良く出来ていると、この手の映画を捜して捜して深みにはまってしまいます。

例えば、「薔薇の名前」、「相続人(1973)」、「溝の中の月」とか・・・

 

ジェフリー・ラッシュのサド侯爵も上手い、多分こんな人物だったとこちらが感じ入るぐらい良く演じています。悪役コラール博士のマイケル・ケインも本当に憎々しく演じています。でも、一番うまいのはケイト・ウィンスレットとホアキン・フェニックスでしょう。

 

シャラントン精神病院のセットも素晴らしく、でも、この作品万人にはお薦めできませんが、あのフランス革命時代がとてもとても好きな方には、太鼓判を押してお薦めします。

 

いや、フランス革命っていい時代ですよね。ドロとして、魑魅魍魎の人達が傑作な人物が一杯で、ホント知的好奇心を擽ります。日本だと、大東亜戦争前辺りになるのかな、硬軟色々な人物が一杯で、いや、良く出来た、又、色々な事を示唆してくれる面白い映画です。

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。        八点鍾

 

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