レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「プロフェッショナル Le Professionnel」(1981)です。
現在、ジャン=ポール・ベルモンド傑作選として公開中の中で、唯一の日本未公開作品、監督がジョルジュ・ロートネル、 敵役がこういうアクション物に強いロベール・オッセンなので、結構期待して鑑賞しましたが、正直なところ、私は余りのれませんでした。
映画は、復讐譚で、フランスの工作員ボーマン(J=P・ベルモンド)は、アフリカ某国大統領暗殺の為、潜入するが仏政府の政治判断で、裏切られ逮捕される。彼は「再教育キャンプ」に服役するが、二年後、脱獄する。
そして、パリに戻ると、自分を売った奴等と、訪仏するあのンジャラ大統領を暗殺しようとする。フランス政府は、ボーマンを亡き者にすべく、野獣部隊を率いるローゼン(ロベール・オッセン)が待ち構えていた・・・
まず、「再教育キャンプ」からの脱獄、何か生温いよね。こういうところ、ハリウッドならコテコテに盛り付けるんだけど。
そして、野獣部隊のチーフ、ローゼンとの対決、もっともっと盛り上げて欲しいんだけど、これじゃー、あっさり過ぎるよね。
ロートネル監督としては、前作「警部」程アクションの切れは良くなく、ラストもシリアスなので・・・・ 但し、ストーリー、パトリック・アレクサンダー原作「大統領暗殺指令」は上手く纏まっているので、悪い映画ではありませんが。
元々、こういう復讐物は、「モンテクリスト伯」とか同じようなストーリー「ボーン・アイデンティティー」を上げるまでもなく、お話として復讐が完遂し、主人公が自由になることで観客はカタルシスを得るのですが・・・
今回の傑作選の中で、アクション色の一番強いのは「恐怖に襲われた街」です。超ベテラン、アンリ・ベルヌイユ監督なので、やはりアクション映画の勘所を押さえています。本当に上手いです。
色々と個人的な不満を書きましたが、興行収入はガツンと得ているようなので、私の不満なんかどうでもいいことですが。
次は、商売にならないかもしれませんが「ビアンカ(1961)」「ふたりの女(1960)」「フェルショー家の長男(1963)(未)」「薔薇のスタビスキー(1974)」「ラ・スクムーン(1972)」辺り、特に「フェルショー家の長男(1963)(未)」をお願いしたいと思います。 八点鍾