レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「栄光のル・マン」寡黙なS・マックィーン、ル・マン24時間レースを舞台にした映画・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「栄光のル・マン」(1971)です。

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映画は、昨年ル・マンでリタイヤしたデラニー(スティーブ・マックィーン)は、又ル・マンに戻って来た。ポルシェ917に乗り込んで、ライバル、フェラーリ512に乗るストーラー(ジーグフリート・ラフヒ)と戦うことになるのだった。

 レースは、ポルシェチーム優勢に進んでいたが、明け方フェラーリチームの一台がクラッシュして、その事故に気を取られたデラニーがクラッシュしたことで、フェラーリチームがトップを取り、ポルシェチームは後塵を拝すことになる。

 

レース最終盤、ポルシェチーム21号車がサスペンショントラブルでもうダメかと思われたが、フェラーリチームの8号車も電気系統トラブルで、チーム監督は21号車にデラニーを載せる決断をする。デラニーとストーラーの対決が、再びミュルサイヌ・ストレートで始まろうとしていた・・・

 

新鋭リー・H・カッツィン監督作品です。作品をご覧になると判りますが普通のハリウッド製モータースポーツ映画と少し味わいが違います。

 

セミ・ドキュメンタリータッチのモータースポーツ映画として、ル・マン24時間レースを描写しているので、マックィーンのアップは少なく、エルガ・アンデルセン扮するリサとのシーンもそっけない描写。リサはの夫は、昨年のル・マンでデラニーとの事故で亡くなっていることもあるのだが・・・

ジョン・フランケンハイマー監督「グランプリ」でのイブ・モンタンとエヴァ・マリー・セイントとの絡みと比較すると味気ない程。

 

ラスト、レースが終わり、デラニーとリサは再び遭うが、互いに何も言わず、ただ見詰め合うだけ、こういう終わり方も非ハリウッド的で。

 

でも、そこがこの映画の良さだと思いますが。Wikiによれば、当初予定されていたジョン・スタージェス監督(「荒野の七人」「大脱走」)は「途方もないジョーク、800万ドルかけたマックィーンのホームムービー」と評価したとか。

多分、ベテランスタージェス監督は後年製作された「フォードVSフェラーリ」(2019)のような映画を考えていたのでしょう。

 

でも、映画は人間ドラマを出来るだけ排して、ル・マンレースをドキュメンタリータッチで描いたこの作品は、マックィーンのモータースポーツに対するセンスの良さを垣間見た想いです。

 

そして、音楽にミシェル・ルグランを起用したのもこの作品にプラスになっていると思います。とてもいいスコアを書いています。カッツィンは、その後「ザルツブルグコネクション」が公開されただけで、200年に亡くなっています。もっともっと活躍して欲しかったと思います。

 

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。      八点鍾

 

追記 ことしのル・マンは、コロナの為九月に開催されました。トヨタ TS050が優勝したことを報告しておきます。

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ご贔屓 ジークフート・ラウヒ この役柄が一番良かったかも

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今年のトヨタ優勝車TS050

www.youtube.com

 

www.youtube.com