レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「水の中のナイフ」ロマン・ポランスキー監督長編第一作ですが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「水の中のナイフ」(1962)です。

 

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巨匠ロマン・ポランスキー監督の長編第一作になります。サスペンス映画が得意なポランスキー監督ですが、特に彼の場合、ヒチコック監督と違い異常心理に基ずく作品が多いのが特徴だと思います。

勿論、ヒチコック監督も異常心理を扱った作品があります。例えば、「見知らぬ乗客」「サイコ」「フレンジー」等ですが。

 

アンジェイとその妻は、ヨットに乗るためプジョー403を運転し急いでいた処、たまたま青年を乗せることになった。湖にあるヨットハーバーで彼と別れることになったのだが、よせばいいのにアンジェイはヨットに青年を乗せてしまう。

小さなヨットで三人は楽しむのだが、些細なことからアンジェイのせいで青年のナイフを湖に落ちて、青年はナイフを拾う為に湖に飛び込むのだが・・・

 

今回、初めてBD版を鑑賞しました。この「水の中のナイフ」もその萌芽が見られ、大変興味深く鑑賞し見ましたが、正直、若干テンポが鈍重で最初の30分程は難儀をしました。

ですが、アンジェイのせいで青年のナイフが水の中に落ちてからの展開は、さすがに上手く、その後の夫婦の確執を上手く描いているのに感心しました。若干29歳で、良く人間を観察していると考え入った次第です。とても良く出来たサスペンス映画になっています。

もう一つ、音楽をクリストファー・コメダが担当しており、ジャズベースの良いスコアを書いています。

 

彼の人生は、映画にも描かれたシャロン・テート事件、少女淫行事件など色々とありました。それを嫌う人が多いのも事実ですが、彼の作品は、シャークスピア、ハードボイルド、サスペンス、文芸作品、コメディ、異常心理等と幅広く、私個人としてはとても優れた映画監督だと思います。

 

彼の最新作は、「アン・オフィサー・アンド・ア・スパイ」(19世紀末、仏国での冤罪ドレフェス事件を題材にしたもの)と聞いています。彼の年齢から考えて、この作品が遺作になるのではと思われます。           八点鍾

 

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