レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「トータル・リコール」(1990)です。
1990年と言えば、日本はバブル経済真っただ中、夏にイラク軍がクウェートに侵攻、米国は湾岸戦争の準備を始めるのだった。
そのタイミング、12月に公開された映画は、日本でも大ヒットした。
ポール・バーホーベン監督は、オランダ出身の新鋭監督で、オランダ時代からかなりドギツイ表現が得意な人で、「ロボコップ(1987)」も暴力描写がドギツかったが、「四番目の男(1982)」「氷の微笑(1992)」「ショーガール(1995)」「スターシップ・トゥルーパーズ(1997)」これら作品もどれもが飛び散る鮮血、エグイセックス描写等などでならしたお方でした。そう、たとえは良くないかもしれませんが、一番元気な頃のケン・ラッセル監督の様でした。
この作品も、フィリップ・K・ディックの小説「追憶売ります」を基にしたSF映画で、普通の労働者グエイド(A・シュワルツェネッガー)が、実は秘密諜報員ハウザーで、火星社会を支配するコーヘイゲンと対決し、その支配体制を叩き潰す話で、それに元妻ローリー(シャロン・ストーン)とコーヘイゲンの手先リクターが絡むのですが・・・
どちらかと言えば、苦手なバーホーベン監督ですが、この映画はかなり好きです。勿論、飛び散る鮮血、骨が砕ける音、引き千切られる腕等は勘弁して欲しいのですが、火星エイリアン遺跡、ミュータントのメイク、その火星住居等がB級ティストたっぷりなのと、このストーリが、ヒチコック監督「北北西に進路を取れ」のようでなかなか面白いのと物凄くテンポが良いのが、この映画の魅力だと思います。
加えて、何も考えずにいきなりマシンガンを撃ちまくるリクター等、変な魅力いっぱいで。
ホントに面白く出来ています。今見ても悪くありません。
このブログ作成に、4Kデジタルリマスター版を劇場で鑑賞しました。映画を見て気付いたのですが、日本語吹き替え版でした。 八点鍾