レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

番外編佐藤允さんを偲んで、岡本喜八監督出世作「独立愚連隊」ですが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日は皆さんあまりご存知ないと思いますが、佐藤允さんについて少し書いてみたいと思います。彼は、2012年12月6日に78歳で亡くなっています。

 

岡本喜八監督「独立愚連隊(1959)」で脚光を浴び、それからは軍人役とか悪役オンリーで、あまり引出しの多い役者ではありませんでしたが、特に東宝戦争映画では常連、下士官から士官迄、喜八監督の戦争映画軍人役ではとても存在感がありました。

又、「和製リチャード・ウィドマーク」とか「和製ブロンソン」とかとも言われています。

 

それ以外ですと「203高地」「彼女が水着に着替えたら」今村昌平監督「うなぎ」あたりが有名だと思います。

 

ここでは、岡本監督の出世作で、又、一番彼が輝いていた「独立愚連隊」を紹介したいと思います。この作品は、戦争映画を装いながら、ミステリー風でもあり、西部劇へのオマージュになっています。

だから、後半佐藤允扮する荒木従軍記者と中丸忠雄扮する藤岡中尉の決闘シーンまであり、ホント、ご機嫌な作品になっています。

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映画は、大東亜戦争末期、毎朝新聞の従軍記者荒木(佐藤允)は、北支戦線将軍廟にふらりと現れ、独立90小哨で起きた心中事件のことを嗅ぎ付けるとその場所に向かう。

独立90小哨は、最前線を超えた敵中にある小さな歩哨地で、敵八路軍の前に風前の灯火の様なところであった。荒木はそこで大久保見習士官心中事件の調査を始めると、色々な事が浮かび、そこの小哨長石井軍曹と対立するのだが・・・

 

作品は、低予算のプログラムピクチャーでありながら良く纏まっており、加えて先の大戦の戦争映画だと悲壮、悲惨が正面に出て来るので面白くない作品が多いのですが、この作品は、前述したように西部劇をベースにしているので、ラスト、八路軍との乱戦も含めてとても面白い映画になっています。

 

先の大戦に基づいた映画で、カラッとしている映画は、この「愚連隊」シリーズと「太平洋奇跡の作戦 キスカ」ぐらいではないでしょうか?

 

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。      八点鍾

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