レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「グライド・イン・ブルー」(1973)です。
監督はジェームズ・W・ガルシオ(製作、音楽も担当)、そのロックバンド"シカゴ"のプロデューサーです。ハリウッドはこういうところが凄いと思います。いきなり、監督をやらせるのですね、まったく未経験の人に。まあ、周りのサーポートが良いのでしょう。
だから、結構音楽が良いんです。特に、ラストに使われる "Tell me" はコンラッド・ホールの素晴しい撮影を含め本当に素晴らしいと思います。
コンラッド・ホールは「暴力脱獄」「冷血」「明日に向かって撃て」「マラソンマン」等素晴らしい作品があります。ですから、この作品も負けていません。
うーん、素晴らしいです。
映画は、ニューシネマに分類されるでしょう。モニュメントバレーを管轄する"ビッグジョン"(ロバート・ブレイク)と呼ばれる白バイ警官は殺人課刑事になることを夢見ている。筋トレをして、馴染みのバーのマダム、ジョリーンと親密な関係を持っている。
相棒ジッパー(ビリー・グリーン・ブッシュ)は、仕事をそこそここなして、クロームメッキパーツでデコレートされたエレクトラ・グライドを手にすることが夢だった。
自分の管轄でフランクという老人の自殺があり、検死すると他殺であることが判り、ビッグジョンは念願の殺人課刑事としてハーヴ刑事の相棒になる。が、このハーヴ刑事、人権無視の暴力刑事で、おまけにバーのマダム、ジョリーンとも関係があり、ビックジョンのことも知ってしまい、尊敬が失望に。再び白バイ警官に。
フランクはヤクの売人で、その売上金をジッパーは横領し、念願のエレクトラ・グライドを手に入れるが、それが悲劇の始まりに・・・
良く出来ています。ただ、少し判り辛いところもありますが。
そして、あの革命的な非商業映画「イージーライダー」の白バイ警察版という趣きで作られています。そういう意味で"遅れて来たニューシネマ"と思います。シューティングレンジでは標的に「イージーライダー」の写真が貼り付けてあったり、結構お茶目映画です。
迫力ある白バイの追跡シーンを含め、空冷OHV、V型ツインエンジンが好きなお人であれば、コンラッド・ホールの映像美が好きな人であれば、お薦めな映画です。
ラストの "Tell me" は、なかなか聞かせて、見せてくれます。
このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。 八点鍾
追記
ちびのロバート・ブレイクは、作品中にこんなこと言っています。
「俺の背丈は、アラン・ラッドと同じだぜ」
この映画のラストをこの楽しむには、劇場で鑑賞して欲しいと思います。
劇場で見れば、感動するのでは。延々とカメラが引いていきます。
物足りないと思いますが・・・