レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「ムーラン」98年に公開されたアニメ版の実写映画化ですが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ムーラン」(2020)です。

 

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この作品は、本来であれば今年春に公開されていたと思いますが、コロナの為公開が延期され、又新疆ウイグル自治区でのロケ問題もあり、日本では劇場公開されることなく、BD、DVD又は配信で公開された不遇の作品になってしまいました。映画を見る限りではかなりの予算をつぎ込んだ大作なのに残念です。

 

映画は、ファンタジー映画として見た方が良いでしょう。北方の蛮族が辺境の砦を襲撃、帝都も危うくなって各家から男子を徴兵するのだが、ファ家は男子がいないので、足の悪い父が兵士になろうとするのだが、ムーラン(リウ・イーフェイ)が男装して軍に赴く。

ムーランの活躍で蛮族を殲滅、又帝都に侵入した皇帝暗殺団も仲間と共に討ち取り、故郷に帰るというお話。

 

鑑賞後の印象としては意外な拾い物という感じで、ムーランの剣劇シーンも良く身体は動いており、私個人としては、あの「47ローニン」「さゆり」よりは良い作品だと思います。監督はニキ・カーロ、ニュージランド出身の女性監督、手堅くまとめています。

 

けれども、中華系の人はその時代考証にNGを叩きつけるかもしれません。冒頭に出て来るムーランの住居、土楼は何も知らない人から見れば、良く出来ていると驚くかもしれませんが、実際の土楼よりかなり立派なものですし、大体時代的に合っていませんと中華圏の人は言うと思います。

 

こういう映画、ハリウッドと言うフィルターを通して中国歴史映画を作る場合、どうしてもこうならざる得ないと思います。似たような文化圏である欧州歴史物であれば、そんなに違和感はないと思いますが。

 

その辺りが今後の課題と言うか、それを無視して国際マーケットでヒットすれば、問題ないという開き直りもありますが。

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。          八点鍾

 

追記 昔々、サミュエル・フラーが戦後まもなくして、日本で「東京暗黒街 竹の家」と言う作品を撮りました。当時、日本では国辱物の映画だと騒いだとか。

 

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