「モラン神父」メルヴィル&ベルモンド、コラボ第一弾映画ですが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「モラン神父」(1961)です。

 

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ヌーベルバーグのスターとして名を上げたベルモンドが「ふたりの女(1960)」「ビアンカ(1961)」主演後、ジャン=ピェール・メルヴィルと組んだ作品で、その後、彼はベルモンドと「いぬ」と「フェルショー家の長男(未)」と計3本の映画を撮る。その第一作目になる作品です。

 

作品は、彼得意の暗黒物、ノワールスリラーではなく、独占領下のフランス地方都市でのモラン神父(J・P・ベルモンド)と共産党活動家バルニー(エマニュエル・リヴァ)との人間ドラマ。私も、彼がこういう宗教的な人間ドラマを取っているとは意外な発見で、DVDを購入して暫く棚に入れたままになっていましたが、今回初めて鑑賞した次第。

 

映画は、アルプス近くの小さな町にイタリア軍が進駐してくるところから始まります。やがて、ドイツ軍が進駐し、イタリア軍いなくなる。バルニーは、学校の通信教育の担当係として働いている。共産党員の為無神論者で、宗教などブルジョワーの戯言と考えていた。

 

ある時、聖ベルナール教会の前を通ったので神父をからかう為に告解室に入ると若く魅力的なモラン神父が現れ、高潔な教義を聞き、自分を恥じ入る。そして、彼の部屋に行き、カトリックの教義を聞き、時に議論を戦わすようになる。

 

やがて、戦争が終わり、バルニーはモラン神父と欲情を考えるようになり、神父を寝室に誘おうとするが、拒絶される。時が経ち、モラン神父は別の田舎町へ赴任し、バルニーもパリに移動することになる。

 

映画は、女性映画と言って良いと思います。淡々とドイツ占領下のフランスを女性の目から描写しており、大変素晴らしいと思います。但し、人によっては思い出したくない記憶かもしれませんが。

実際、メルヴィルはその時代の証人なので、ドイツ軍、ドイツ軍人の描写は素晴らしいものがあります。今にも朽ちそうな街並み、塗料が剥げかけた教会の壁等々とても時代色が出ています。加えて、ミリュー(暗黒物)だけでなく、こういう人間ドラマもがっちりと描くことが出来る映画作家と言うことを再認識しました。

 

ベルモンドは、ぐっと押さえた演技で神父を演じています。何時もは、ギャングか刑事役が多いので、こういう役もできるのだとビックリする次第。又、エマニュエル・リヴァ(24時間の情事、栄光への5000キロ等)がとても素晴らしい演技を披露します。

メルヴィル曰く、彼女しかベアトリクス・ベックを演じられなかったからだよ。ベアトリクス・ベックはこの映画の原作者、原作は彼女の自伝的な小説。

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。今回IVC版のDVD鑑賞していますが、上映時間は118分です。有名な「サムライ ジャン=ピェール・メルヴィルの映画人生 著ルイ・ゲイラ」によると上映時間は128分、当初は193分だったとのことです。画質は古い作品としては良いのですが、話が繋がらないところが散見されました。

                          八点鍾

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