レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「郵便配達は二度ベルを鳴らす」(1981)です。
「ファイブ・イージー・ピーセス」でなかなかの腕前を見せてくれたボブ・ラフェルソン監督、ジャック・ニコルソン、ジェシカ・ラング共演のフイルムノワールです。原作は有名なジェームズ・M・ケインの同名の小説からで、この作品で四度目の映画化になります。
1930年代不況のカルフォルニア、失業者で風来坊のフランク(ジャック・ニコルソン)はギリシャ移民のパパダキスが経営するダイナーでメカニックの仕事を得る。理由は、パパダキスの若妻コーラ(ジェシカ・ラング)が美しかったからだ。
パパダキスが外出中に、フランクはコーラをものにする。コーラも亭主にうんざりしていたようで、サンフランシスコに逃げようとするがフランクが賭け事がらみで失敗。
続いて、パパダキスを殺して保険金を手に入れようとする。一度目はコーラが夫を浴槽で襲うが失敗する。二度目は偽造交通事故を起こして、夫を亡き者にするが、突然車が横転してフランクも重傷を負う。
サケット検事は、フランクの過去を知っていたのでコーラとフランクの偽装殺人を疑う。フランクを訴追しようとして失敗するとコーラを訴追して、やり手の弁護士カッツは、自分の部下を警察官に仕立て上げてコーラの自白を取り、二つの保険会社にも折衷案を提出して、二人を無罪にするのだが・・・
その昔、劇場で見た時はあまり面白いと思いませんでしたが、今回見直して前半少しテンポが鈍いのが気になりますが、偽装殺人を計画する辺りからがぜん面白くなり、目が離せません。ジェシカ・ラングが途中もっと色っぽくなれば、もう少しファムファタールらしくなれば、更にいい映画になったと思います。
反対にギリシャ移民色、ギリシャ移民パーティ等をカットしてもっと濃厚な愛憎シーンを入れたらさらに良くなるのではと思う次第です。時々、ある程度の歳を経なければ、理解しずらい映画があります。この作品なんか最たるものです。若い人達には理解しづらいのではと思います。特に、フランクの生きざまとか人生等はある程度の年齢に達しないとね。
ラストなどとても良いシーンで、身につまされる程です。
ボブ・ラフェルソン監督は、この作品と「ファイブ・イージー・ピーセス」だけか、寂しいな。もっと良い映画を撮って欲しかったと思います。もうご高齢で無理だと思いますが・・・
このブログ作成にBD版を鑑賞しています。 八点鍾
ルキノ・ビィスコンテイ版も鑑賞しましたが、ほとんど覚えていません。多分、今見れば張り倒されるぐらいいのではと思いますが・・・ 若輩者でした。