レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「顔役」こだわりの映像と長回し、勝新太郎初監督・主演の刑事映画ですが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「顔役」(1971)です。

 

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この作品は邦画で、勝新太郎初監督・主演映画です。勝新太郎は独特の個性、味わいを持った俳優で、間口の狭い高倉健とか三船敏郎とは違い、とても上手い俳優ですが、私はどうもちょっと、いつも感じてしまいます。どうも波長が合わないように感じます。

 

このカルト映画は最近知りました。とてもユニークな映画だと聞いて、何がしか得るものがあるだろうとDVD購入鑑賞しました。以下に、その簡単な感想を述べさせてもらいます。

 

映画は、信用金庫の不正融資事件から始まる二つの暴力団の抗争事件をはみ出し刑事立花(勝新太郎)と和田刑事(前田吟)が解決するという話ですが、和田刑事は新米でスクリーンを右往左往するだけ。敵は組の若頭杉浦(山崎努)等の面々。

 

ストーリーは、時々ジャンプするので何度も見ないと理解不能の様な有様で、冒頭の賭場の手入れシーンから、どちらかと言えばアップを多用、被写体の前に物があっても構わず撮影するというようなので、意図的にやっている感じもしますが、何をやっているのか良く分からないシーンも多く、かなり難儀をする映画です。

 

暫くすると、そのリズムが掴めて来て、それが独特のムードを形成していることは理解できますが、構図も独特で、時々どうやって撮影したのだろうと思うシーンもあります。撮影監督は牧浦地志、勝監督が無理難題言うので大変だったと思います。

 

でも、この映画を見ながら、頭の片隅にあるテレビ作品のことを思い出しました。それは、勝新太郎主演あの伝説のTV刑事物「警視-K」、そうあの味わいですね。この作品、でも、あのシリーズの方がまだ理解しやすかったと思いますが。

 

この映画、独特の魅力はあります。だから、一部のファンからは物凄い支持を受けていると思いますが、私から見れば「旦那芸」かな、でも言い過ぎかな、もう少し洗練さが欲しいと思います。やりたいことは分かりますが・・・

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。      八点鍾

 

追記 

 この作品を見ると、勝新太郎と言う男優は骨のある俳優だと思います。一家言持っている役者でもあるでしょう。だから、「影武者」で黒澤監督と衝突するのですね。よく理解できました。

 

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こちらが警視-K