「O嬢の物語」ジャンルから言えば、BDSMの恋愛映画ですが・・・

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「O嬢の物語」(1975)です。

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O(コリンヌ・クレリー)と呼ばれるファッション写真家が、恋人ルネ(ウド・キア)の為、城館ロワッシーに行き「奴隷状態における幸福」を体験し、更に異父兄弟のステファン卿に委ねられる。又、ルネの為にジャクリーヌをロワッシーに誘うのだが・・・

 

「エマニエル夫人」が大ヒットして、その余勢をかってジュスト・ジャカン監督が製作した映画です。意欲作だと思いますが、率直に言って、この原作の持つ高尚な思想、テーマを上手く表現できなかったように思います。

 

映像化するって難しいことで、映像しやすい作品と難しい作品があります。この原作は人が持つ性的嗜好の中で嗜虐的性向(BDSM)を表向きは描きながら、つまり「奴隷状態における幸福」を描きながら、隠し味として肉体を他人に託しながらその魂の神の許しを請う、又は神への愛を託するような感情、歪な愛情を描いています。

 

つまり、映像化はとても難しい作品だと思います。文字通りの映像化では、その隠し味を表現することは出来ないと思います。

脚本をセバスチャン・ジャプリゾが担当しているので、あの「狼の天使の匂い」のように「不思議な国のアリス」のような雰囲気でそれはそれで面白いのですが、全体に「エマニエル夫人」のようにファッションフォトのような映像で綴られていますので、原作を溺愛している読者からは、城館ロワッシー等映像に厚みがないと感じるでしょう。

 

キャスティングで成功しているのはウド・キア(「悪魔のはらわた」)だけだと思いますし、コリンヌ・クレリーは、ほぼ全編裸婦姿で登場し度胸のある女優とは思いますが、演技的にはまだまだ未熟だと思います。時々、ヤンキー姉ちゃんのような表情をするのは笑えます。

 

個人的には脚本ジェラール・ブラッシュ、監督ロマン・ポランスキー、ナスターシャ・キンスキーに"O"を演じさせ、ステファン卿をオリバー・リードが演じれば、とても面白い映画になったのではとDB版を鑑賞しながら思った次第ですが。    八点鍾

 

追記

私はポーリーヌ・レアージュ著「O嬢の物語」を何度も読もうとしましたが、途中で挫けてしまいます。難しい作品だと思います。

私は、この作品より鹿島茂さんの「オール・アバウト・セックス」「パリ、娼婦の館」「オン・セックス」辺りの方が興味深いと思います。

勿論、この「O嬢・・・」は個性的な傑作だとおもいますが。

 

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