「地獄の黙示録 Redux」コッポラ監督の壮大なベトナム戦争オペラ、エイゼンシュタイン監督「イワン雷帝」のような映画ですが…

 レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「地獄の黙示録  Redux」(2001)です。

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この作品は、1979年に公開された「地獄の黙示録」に53分の未公開シーンを追加、編集し直したものと聞いています。間違いなくコッポラ監督の狙いはこちらの方だと思います。79年当時公開された作品は、前半と後半の映画のバランスが取れていない力作という評価が多かったと思います。

 

映画はもう有名ですから、敢てストーリーは書きませんが、ジョセフ・コンラッド「闇の奥」を下敷きしています。主人公が大河を遡る冒険映画はちょこちょこあり、似た様な映画は同じコンラッド原作、リチャード・ブルックス監督、ピーター・オトッール主演「ロード・ジム」(1965)とかヴェルナー・ヘルツォーク監督、クラウス・キンスキー主演「アギーレ/神の怒り」(1972)等があります。

 

元々、映画はジョン・ミリアスの原案から始まっており、それはベトナム戦争末期、カンボジアで私兵を集めて好き勝手やっているカーツ大佐を暗殺すべく、ウィラード大尉が潜入し、暗殺を決行する時に北ベトナム軍の襲撃、加えて救出に来た米軍とカーツ私兵、北ベトナム軍、米軍の三つ巴の戦いを描くB級戦争アクションでしたが、神の啓示を受けたかどうか知りませんが、コッポラ監督がベトナム戦争を舞台により壮大な戦争スペクタクルオペラに改編しようと思ったのでしょう。

 

以前、このRedux版を劇場で見た時はやたら長いだけという印象でしたが、今回、再見してコッポラ監督の狙いがより強く感じました。特にクリスチャン・マルカン演じるフランス入植者ヒュバード達のシーンが追加されたことで、第二次大戦後のインドシナ半島の歴史、フランスの立場、入植者の苛立ち、思いが、カーツ大佐達の存在をより際立たせて、壮大な戦争スペクタクルオペラを創造したかったんだ、そしてそれはほぼ成功していると感じ入りました。

 

この作品では、カーツ大佐率いる死の軍団の存在感増しています。その描写はグロいですが、マーロン・ブランドの登場シーンも更に加わりとてもバランスの取れた作品になっています。そう、エイゼンシュタイン監督「イワン雷帝」のような重厚壮大な作品に生まれ変わっています。

 

よって、私にとってコッポラ監督のベストスリーは、「カンバセーション/盗聴」「ゴッドファーザーPartⅡ」「地獄の黙示録Redux」となりますが。

 

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。       八点鍾

 

追記

ファイナルカット版は鑑賞していませんので、それについて判断できません。このRedux版は少し長めなので、その辺りをカットしたものだと思います。例えば、プレイメイトの絡みのシーン等。

 

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