レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ゴツドファーザー: 最終章」(2020)です。
この作品は、1990年に公開された「ゴッドファーザー PARTⅢ」の再編集版です。日本では劇場公開されずにBD版が発売されています。
今度は、もう斬った張ったの世界ではなく、バチカン銀行を舞台にマネーロンダリング、国際金融における頭脳戦見せてくれるのかなと思っていましたが、やはりいつものマフィア稼業で…
当時、リアルタイムでこの作品を見ましたが、あまりにもメロドラマぽっくて感銘を受けませんでした。どちらかと言えば、映画の質としては劣りますがマリオ・プーゾ原作、マイケル・チミノ監督「シシリアン」(1987)の方がマフィア物らしくて好きですが。
今回、新たに鑑賞してとても良く出来たマフィアを舞台にしたメロドラマだと思いますが、やはり「ゴッドファーザー」「ゴッドファーザー PARTⅡ」には及ばないと思います。劇場公開版より少し短くなってテンポが良くなったように感じます。
バチカン銀行の汚職がらみのマネーロンダリングの大きな罠に嵌まってしまうマイケル、ガードが甘いなと思う次第で、トム・ヘイゲン弁護士が出ていたら、もう少し違う展開になっていたと思います。私なんかこの作品を見ていて、ジョージ・ハミルトン演ずるハリソン弁護士が一番問題の様に思うのですが、お咎めなしとはね。
アル。パチーノのドンも糖尿病で、余り貫禄ないし、「スカーフェイス」のトニー・モンタナの方が迫力と言うか存在感があったと思います。ヴィンセント(アンディ・ガルシア)の恋人を演じるブリジット・フォンダも伸びませんでしたし、アンディも期待したほどではありませんでした。
劇場で鑑賞した時は、あまり感心しなかったオペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」と同時進行するマイケル暗殺とヴィンセントが計画する敵対する首謀者暗殺計画の同時進行は、なかなかのサスペンスで面白いですが、昨年夏に鑑賞したイタリア映画「シチリアーノ 裏切りの美学」と比較すると地に足がついていないストーリーに思えますが。
色々書きましたが、良く出来た作品だと思います。興味を持たれた方は、ぜひ購入、又はレンタル、配信でご確認下さい。
このブログ作成にBD版を鑑賞しています。 八点鍾
追記 でも、ニーノ・ロータのあの音楽は本当に素晴らしいと思います。