「ザ・ヤクザ」寡黙な高倉健と哀愁溢れるロバート・ミッチャムの怒り炸裂、日本版フィルムノワール映画ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「ザ・ヤクザ」(1974)です。

 

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               ボブ・ピークのポスター

 

キルマー(ロバート・ミッチヤム)は、海運会社社長ターナーの友人で、ある時、日本のヤクザとトラブルを起こして、娘が誘拐されたので助けて欲しいと持ち掛けられる。

 

仕方なく、キルマーはその昔日本駐留時のヤクザ者田中(高倉健)に助けてもらうべく、日本に向かう。京都にいた田中を訪れたキルマーは、田中と共にターナーの娘を助け出すのだが、それには裏があり、二人は深く重い陥穽にはまってしまうのだった…

 

この作品、公開当時日本の観客からそっぽを向かれ、映画評論家からもネガティブな意見が多く、米国公開時もあのロバート・ミッチャムの指詰めシーンに呆れてものが言えなかったとか。

当時、キネマ旬報では大々的に半年程前から東映京都撮影所を訪れてこの映画特集をほぼ毎号載せていました。ポラック監督、ミッチャム、岡崎宏三撮影監督インタビュー等載せて、物凄く協力的なパブシリティは以後見たことはなかったと思います。

が、いざ公開されると日本の観客はそっぽを向き、ヤクザ映画ファンは、ヤクザ映画独特の約束事をないがしろにしており、洋画ファンからは日本の文化様式がおかしくて…

義理の説明なんか最たるものですが。この時、ある映画評論家は国際映画っていうものはこういうものだと。私はその時詭弁のように感じましたが、今ではそれが正しいと思います。

 

今回、ブログのために「ブラックレイン」を鑑賞し次ならこの作品と思い、久々に鑑賞しました。第一印象としては、アクション物の「ブラックレイン」と違い、しっとりとしたフイルムノワール物として良く出来た作品だと思います。

「ブラック…」では、受け身のの演技だった高倉健、この作品ではミッチャムが受け身の演技で、高倉は能動的な演技で、なかなか見せてくれます。又、岸恵子も劇場で鑑賞した時は、何の感慨もありませんでしたが、今回こんなに良いのかと思いなおしました。ポラック監督によれば、彼女は本当に素晴らしい女優だとインタビユーで何度も言っていたことを思い出しました。

 

それにもまして、ロバート・ミッチャムがとてもステキだと感じました。初老のミッチャムが、新宿の街を歩き英子(岸恵子)が営むキルマーハウスを訪ねるシーン、デーブ・グルーシンの静かな音楽がまた最高だ。

当時、ロバート・ミッチャムは年を取り過ぎていないかと私は思いましたが、でも、このキャスティングは正解だと思います。私は彼が大戦後、多くのノワールフィルムに主演していることを知りませんでした。だから、とてもいい味が出ています。不勉強でした。

 

最後の本家東映さんも、ビックリする様な独特な殺陣による殴り込みシーンを含め、特に撮影の岡崎宏三監督の凝ったアングルも再評価に値する作品だと感じました。加藤(待田京介)を倒した後の血塗れの、不動明王刺青のショット等がとても良いと思います。

 

このブログ作成にDVD版(インターナショナル版)を鑑賞しています。 八点鍾

 

追記 日本公開版は10分程長く、その多くは旅客機の中、首都高での車の中でミッチャムからリチャード・ジョーダンへ日本文化の説明シーンだったと記憶しています。この版ではそういうシーンが削除されていますので、テンポが良くなりプラスに働いていると思います。

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