レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「暁の出撃」RAF(英空軍)のチャスタイズ作戦(ルール地方ダム攻撃)を描いた航空映画ですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「暁の出撃 」(1955)です。

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この作品、何を言っているか分からないような邦題ですが、原題The Dam bustersと言います。そうです、有名な英空軍のチャスタイズ作戦、ドイツルール工業地帯に給電しているダム、メーネ、エーデル、ゾルぺダムを破壊して、又洪水を人為的に起こして工業地帯を操業停止、破壊を狙った作戦を描いています。

 

そして、この作品、航空映画の古典と言っても差し支えないと思います。だから、ハリウッドの航空映画「頭上の敵機」「戦う翼」「メンフィスベル」とは一味違う航空映画になってます。英国人はこういう特殊作戦映画がお好きのようです。

だから、映画はアプロランカスター爆撃機が登場します。ボーイングB-17ではなくて、英国らしい美しい機体で。特に長い爆弾倉がこの爆撃機の特徴で、それ故、トールボーイとかグランドスラムと言う特殊爆弾を搭載出来て、素晴らしいと思います。

 

映画は、1942年ビッカース社ウォーリス技師(マイケル・レッドグレープ)が自宅で反跳爆弾でドイツルール地区の大型ダム攻撃の為のデータ取りをしているところから始まります。彼はダムには魚雷攻撃を防ぐため、魚雷防御網が施設してあるのでそれをかわす為、水切りが必要で、ダムに到達後沈下して水中で爆発する方法を考えていた。彼は上層部を説得して、正式の作戦として認めてもらうことに成功する。

 

が、頻発する問題、爆弾容器が弱い、低空飛行の為通常の高度計は使用できない、機体と目標との正確な距離測定できない事を一つずつ解消して、ランカスター爆撃機Mk.Ⅲを改造、ダムが満水、月夜を選んで1943年5月17日、617飛行中隊はガイ・ギブソン中佐(リチャード・トッド)に率いられてルールへ向かって出撃するのだった…

 

モノクロ映画ですが、英国映画らしくドキュメンタリータッチで、淡々と描写される戦時下のパイロット、兵舎、飛行場、そしてアプロランカスター。この爆撃機が好きな飛行機野郎ならたまらない作品でしょう。ランカスターが眩しく、魅力的に捉えられています。

大戦後間もなくの映画なので、まだ実機がたくさん残っていたのでしょう。コックピット、特殊爆弾の搭載、タキシング、航空燃料、弾薬の補給シーン等がたっぷり。それがとても良いアクセントに。

 

この作品も「633爆撃隊」(1964)と同じく、攻撃シーンより訓練シーンの方が興味深い。夜間超低空で湖上を飛行するシーンは本当に素晴らしい。

現時点で、この作品を見てこの作品で一番がっくりするのは超低空でダムに向かい、投弾、その後の大爆発シーンでしょう。滝か波のシーンを合成しているようですが、何かしっくりこなくて…

でも、特殊爆弾が湖水の上をホッピイングしながらダムに向かうシーンは本当にスリリングです。本当に美しい。監督は「八十日間世界一周」「さらばベルリンの灯」「栄光の座」のマイケル・アンダーソン。

 

このブログ作成にDVD版を鑑賞しています。       八点鍾

 

追記 実は、ピーター・ジャクソン監督がこの作品をリメイクすると聞いたので、比較のためにこのDVDを購入しました。でも、何の動きも無くて… 自称ウイングナッツ(飛行機気違い)なら早く製作して欲しいです。

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  左がロバート・ショー 他にパトリツク・マクグハーンがチラリと

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ロイヤルアルバートホールで一日だけの4Kレストア映画試写会用予告

 

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