レタントンローヤル館

主にサスペンス映画のお話

「袋小路(Cul-de-sac)」ポランスキー監督の意地悪なサスペンススリラーですが…

レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「袋小路(Cul-de-sac:クルドサック)」(1966)です。

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ロマン・ポランスキー監督初期の佳作の一本になります。とても良く出来た傑作サスペンススリラーと良く紹介されていたので、今から20年程前リバイバル上映で鑑賞しました。が、個人的には良く出来たサスペンススリラーですが、期待していたほど面白くありませんでした。サスペンスの教科書のような作り方で、特にキャスティングが地味で旨味がありません。やはり、ハリウッド時代を経て彼の作品はさらに味わい深くなったと思います。

 

昨年、BD版が販売され何かまた見たくなったので購入、鑑賞して見ました。全体の印象は変わりませんが、でも時々無性に見たくなるポランスキーの映画の一本だと思いました。何か惹かれるのです。

 

映画は、ジョン・ヒューストン監督「キー・ラーゴ」と同じく、人里離れたとても古い小さな古城に住んでいた夫婦ジョージ(ドナルド・プレザンス)とテレサ(フランソワーズ・ドルレアック)の処に血塗れの二人組のギャングが侵入し、彼らを翻弄するというお話ですが…

 

英国ノーサンバーランド州のリンディスファーン島の古城、満ち潮になると一本道が水没して孤立してしまうシチュエーションがとても良い。

「キー・ラーゴ」はハンフリー・ボガートが演じる主人公フランクがPTSDを克服する話ですが、こちらは二人組ギャング、訪問する客その子供全てがジョージ夫婦に意地悪な感じで、それをいなしていくちょっと変わったコメディスリラー。ドナルド・プレザンスは悪くありませんがフェイスが地味過ぎて… 例えば、少し若いですがアルバート・フィニー辺りだともう少し印象が変わり、商業的にもっと成功したのではと思いますが。

 

ポランスキー監督得意なブラックコメディスリラーの演出、コメダのオフビートな音楽、キュートなフランソワーズ・ドルレアック、ギルバート・テイラーの素晴しいカメラ等映画を勉強するにはとても良い作品だと思います。

 

最後に、この映画にはジャクリーン・ビセットがチラリと。ポランスキー監督の一ファンとして、一度彼のSF映画を見て見たかったな。「エイリアン」を超える様な作品も彼ならできると思いますが…

 

このブログ作成にBD版を鑑賞しています。    八点鍾

 

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www.youtube.com

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なお、ロケ地等確認したいのであれば、居ながらシネマ 袋小路を参照ください。