レタントンローヤル館(八重垣)にお出で頂き有難うございます。今日ご紹介する映画は「Mr.ノーバディ」(2021)です。
新鋭イリヤ・ナイシュラー監督の新作です。この作品、「タクシー・ドライバー」とか「ジョーカー」のような映画、どちらか社会下層の人が虐げられ、突然プツンとキレる映画かなと思い鑑賞しましたが、全く違っていました。
いつもゴミ出しに失敗し(これは自分が悪い)、愛車は路線バス(単にバスが好き?)、派手にキレる(派手は派手ですが考えてキレている)というキャッチコピーに騙された感じです。でも、悪い映画ではありません。もう少し志が高いと…
主人公マンセル(ボブ・オデンカーク)は、美人の奥さん、コニー・ニールセン(「グラディエーター」でルシッラ皇后を演じている)、だから幸せ者です。郊外の一軒家でどう見てもアッパーミドルクラス以上。会社もヒラの作業員ではなく管理職、持っている資産で会社を買収する。老人ホームにいる元FBIの親父も癖があるが土壇場には助けてくれるし…
その彼が、偶々乗ったバスにらりった四人組ロシア人青年が乗り込み、喧嘩になりその中の一人がロシアンマフィアのボス、ユリアンの息子を殺してしまい、恨みを買いドンパチとなるお話。この親父の正体ははっきりわかりませんが、その昔かなり戦闘力を持った特殊部隊の兵士のようです…
良く纏まっていますが、こんなにガンファイトの多い映画とは知りませんでした。この手の映画なら「ウォンティド」「ザ・コンサルタント」の方が私の好みです。
個人的には、自宅に押し寄せた敵を始末するが拘束され、トランクに入れられるが上手く脱出し、ユリアンの財産を燃やして、高級バーにいるユリアンを対人地雷で脅すシーンまではとても良いと思いますが、その後の展開は余りのれません。もう一工夫欲しいと思いました。
でも、ガンファイトフリークの人達なら問題ないでしょう。映画はとことんやってくれます。ある時はMP7、FN FNP-45、H&K USPを乱射乱撃して…
この監督、良いホンに出会えば意外にブレークするかも。 八点鍾
追記 この役者、ボブ・オデンカークも平凡ぼっく演じてくれるが、キレるととんでもなく怖い、なかなか良かったと思います。
そして、もう一つマンセルの会社、金型工場らしいですが、少なくともこんな金型工場はありません。スクリーンから見る限りでは金属加工工場ですね。普通、マシニング加工機、小型切削加工機、ワイヤーカット放電加工機、テスト用の射出成形機は必ずありますが、何もなかったので。元々、米国には金型工場はもうないのでは。だから、もう分からないのではと思いますが。